2012年 2月のフィールドノートから

2月25日 龍郷町秋名

 昨年9月の龍郷町を中心に被害の出た集中豪雨では秋名川も氾濫し、下流の秋名農耕地も浸水してしまった。秋名林道も何箇所も崩落し、車はいまもまったく通れない状態である。今回は秋名川に降りて沢沿いを歩き、アマミノクロウサギの糞塊調査を行った。一年前の同時期に比べて糞の数は数倍に増えている。林道が通行止めになったことでクロウサギの出現が増えたとしたら、それはそれで喜ばしいことだ。林道上に小さな芽生えをたくさん発見。シマウリカエデだ。林道が通れたときには根付かなかったはずの種から二枚の子葉が出、その上に二枚の本葉が出ている。果たしてこのシマウリカエデはどこまで育つことができるか。それは林道の復旧工事いかんにかかっている。

▲秋名川にかかっていた橋は両側が崩れて、完全にオブジェと化している。氾濫の激しさを物語っている。
▲林道上に芽生えたシマウリカエデの子葉と本葉。小さいながらもしっかりシマウリカエデの葉である。

2月29日 龍郷町屋入

 マングースバスターズのある方が2月28日にアマミヤマシギの巣を発見されたという情報を得、翌29日に確認に行った。情報のとおり巣はあったが、卵の数は4個と聞いていたが、3個しかない。ひとつは割れているようだったという話だったので、おそらくはなんらかのアクシデントで傷ついてしまい、親鳥がどこに捨ててしまったのだろう。アマミヤマシギの卵ははじめてみたが、かなり大きい。鶏卵をひとまわりくらい小さくしただけである。アマミヤマシギの抱卵風景はあまり観察されたことがないので、明日からここにビデオをしかけることにする。

▲簡単な産座の上に産みつけられたアマミヤマシギの卵。周囲の色にすっかり溶け込んでいる。
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