13回目のオオトラツグミ一斉調査の結果を掲載しました。これまでで最多のヴォランティア調査員の努力の賜物です。ありがとうございました。
オオトラツグミ一斉調査にご協力いただき、有難うございました。
一斉調査実施日:2006年3月18日(土)・19日(日)・20日(月)・21日(火)
私たち奄美野鳥の会では、奄美の森に生息する貴重なオオトラツグミの繁殖個体数の増減を把握しておくために、1994年からこの鳥が一斉にさえずり始める毎年3月に奄美大島で一斉調査を行っています。
今年は、3月18日(土)に定点調査(住用ダム線など)、19日(日)の一斉調査 (奄美中央林道全域・清水)、20日(月)、21日(火)に補足調査を実施し、残りの地域につきましては、4月初旬までに奄美野鳥の会の会員で順次追加調査を行いました。
その結果、18日の定点調査に18名、19日の一斉調査に106名、20、21日の補足調査にそれぞれ、16名、18名の方々がボランティア調査員として参加していただきました。4日間の合計で延べ158名のボランティア調査員の方々に参加していただき、 115羽のさえずり個体を確認することができました。さらに、会員による追加調査を含めた4月初旬までの調査全体では、総計でさえずり個体が昨年(171羽)よりも6羽少ない165羽となり、延べボランティア調査員の総数は236名となり、これまでに最も多くの方々にご協力をいただいたことになります。
またこれまでと同じように今年も奄美野生生物保護センターや鹿児島森林管理署の協賛、鹿児島県大島支庁農林課・名瀬市・笠利町・龍郷町・大和村・住用村・瀬戸内町のご後援をいただくことができました。奄美博物館には調査員説明会の会場を提供していただきました。調査に参加されたみなさん、ご支援をいただきました諸団体や個人の方々に対し、改めて心から感謝致します。ご支援、ご協力ありがとうございました。
特定非営利活動法人 奄美野鳥の会 会長 高 美喜男
●2006年オオトラツグミさえずり調査結果
調査日 | 調査地 | 調査地点 | 調査員 | 確認羽数 |
3/17(金) | 思勝南大名林道 | 1 | 1 | 1 |
3/18(土) | 安念勝林道 | 2 | 2 | 2 |
小湊安木屋場線 | 5 | 9 | 5 | |
スタルマタ村道 | 5 | 7 | 5 | |
住用ダム線 | 6 | 6 | 10 | |
3/19(日) | 奄美中央林道 | 40 | 99 | 47 |
清水 | 4 | 7 | 4 | |
3/20(月) | 金川岳 | 8 | 10 | 8 |
役勝(国道) | 5 | 5 | 9 | |
和瀬峠 | 3 | 3 | 5 | |
3/21(火) | 油井岳 | 6 | 10 | 7 |
湯湾岳 | 4 | 6 | 7 | |
網野子 | 1 | 1 | 0 | |
節子 | 2 | 2 | 2 | |
戸口 | 1 | 1 | 1 | |
戸口林道 | 3 | 3 | 3 | |
3/23(木) | 神屋国有林 | 2 | 2 | 3 |
3/25(土) | 篠川下福元線 | 3 | 3 | 2 |
丸畑線 | 4 | 4 | 5 | |
山間線 | 2 | 2 | 3 | |
3/26(日) | 湯湾釜線 | 1 | 2 | 0 |
津名久線 | 1 | 1 | 1 | |
三田川 | 1 | 1 | 0 | |
大和川 | 1 | 1 | 0 | |
大棚川 | 2 | 2 | 1 | |
名音川 | 2 | 2 | 1 | |
大和村役場前 | 1 | 1 | 0 | |
大和小南側林道 | 1 | 1 | 0 | |
マテリア線 | 2 | 3 | 1 | |
4/01(土) | 湯湾岳線(名音側) | 2 | 2 | 2 |
志戸勘線 | 2 | 3 | 2 | |
今里 | 3 | 3 | 3 | |
太良川(上流) | 1 | 1 | 1 | |
4/02(日) | 知名瀬林道 | 2 | 2 | 1 |
根瀬部林道 | 2 | 2 | 0 | |
戸円 | 1 | 1 | 1 | |
小川岳(北、東) | 3 | 4 | 2 | |
フォレストポリス | 3 | 3 | 1 | |
4/05(水) | 田検川 | 2 | 2 | 1 |
4/06(木) | 金久田川 | 1 | 1 | 1 |
4/09(日) | 川内川 | 4 | 5 | 3 |
三太郎線 | 2 | 3 | 4 | |
石原線 | 1 | 1 | 0 | |
赤房線 | 2 | 2 | 3 | |
戸玉線 | 2 | 2 | 1 | |
勝浦 | 2 | 2 | 6 | |
合 計 | 45地域 | 154地点 | 236人 | 165羽 |
●オオトラツグミのさえずり個体のセンサス結果の推移
年 | 奄美中央林道 | その他 | 合 計 |
1990 | 24羽 | 1羽 | 25羽 |
1994 | 40羽 | 14羽 | 54羽 |
1995 | 18羽 | 14羽 | 32羽 |
1996 | 18羽 | 11羽 | 29羽 |
1997 | 27羽 | 14羽 | 41羽 |
1998 | 21羽 | 17羽 | 38羽 |
1999 | 44羽 | 28羽 | 72羽 |
2000 | 25羽 | 36羽 | 61羽 |
2001 | 40羽 | 34羽 | 74羽 |
2002 | 40羽 | 37羽 | 77羽 |
2003 | 43羽 | 61羽 | 104羽 |
2004 | 42羽 | 84羽 | 126羽 |
2005 | 68羽 | 103羽 | 171羽 |
2006 | 47羽 | 118羽 | 165羽 |
(1990-1995は、石田ほか1995から抜粋)
1998年以前は奄美中央林道の里・金作原地区と神屋地区のみの調査であったが、1999年以降は奄美中央林道全域を調査した。
その他の場所は年々観察地点が増えているため、個体数が増えている。
*表は、Strix vol.15.1997.『オオトラツグミのさえずり個体のセンサス結果(1996年春)奄美野鳥の会』に1997年以降の調査結果を加えて作成。
今回はこれまでの調査で最も多い延調査員総数236名で、オオトラツグミが生息している可能性のある奄美大島のほぼ全域を調査することができました。オオトラツグミのさえずり個体数の集計総数は、過去最多だった昨年を6羽下回る165羽でした。奄美中央林道全域の比較では、今年は47羽で再びこれまでの平均個体数に近づき、昨年の68羽が特別に多かったようですが、来年どう推移するかを注目したいところです。