2011年 6月のフィールドノートから

*番外編*6月16日 仙丈ヶ岳

 南アルプスの3000m峰の中で最もアクセスがしやすく登りやすいと言われる女王仙丈ヶ岳。長野の伊那側からのバスが6月15日から運行になったので、さっそく16日に登ってみた。藪沢ルートはこの時期まだ雪渓が残っているということで通行禁止のロープが渡してある。必然的に小仙丈ルートをたどることになる。コガラやメボソムシクイの声を聴きながらのんびり登り、2600mくらいで森林限界を迎える。こんな高地でもウグイスのさえずりが聞こえるのがすごい。ウグイスは低地から高地まで広く日本の風土に溶け込んだ鳥なのだ。なのに、なぜ奄美大島では繁殖していないのだろう。

 ハイマツ帯になると鳥の声はずっと少なくなり、見かけるのはイワヒバリやカヤクグリなどの高山鳥だけ。さらに登ると、2800m付近からライチョウも姿を現わしてくる。ディスプレイ・フライトをしたり、ソング・ポストの岩の上で鳴いたりと、オスはメスの気を惹くのに一所懸命であるが、メスはまだその気にならないのか、我関せずと歩み去っていく。頑張れ、ライチョウのオス。

 梅雨まっさかりなので天気が悪く眺望もいまいちだったが、シーズンはじめということで登山客は極端に少なく山小屋は貸し切り状態。とても贅沢な一泊二日の山行きであった。

▲メスを追いかけるオス。完全に振り切られてしまった。
▲お花畑はまだ寂しいが、かろうじてキバナシャクナゲが咲き始めていた。

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