2008年オオトラツグミ一斉調査 結果報告

 15回目のオオトラツグミ一斉調査結果を掲載しました。オオトラツグミのさえずり個体数は昨年には及びませんでしたが、これまででもっとも多くの方に調査に参加いただきました。ありがとうございました。

オオトラツグミ一斉調査にご協力いただき、有難うございました。

一斉調査実施日:2008年3月20日(木)・22日(土)・23日(日)

 私たち奄美野鳥の会では、奄美の森に生息する貴重なオオトラツグミの繁殖個体数の増減を把握しておくために、1994年からこの鳥が一斉にさえずり始める毎年3月に奄美大島で一斉調査を行っています。

 今年は3月20日(木)・22日(土)に定点調査(金川岳、湯湾岳など)、23日(日)に一斉調査(奄美中央林道全域・油井岳)を実施し、残りの地域につきましては、 4月中旬までに奄美野鳥の会の会員で順次追加調査を行いました。

 その結果、20日、22日の定点調査にそれぞれ35名、21名、23日の一斉調査に155名の方々がボランティア調査員として参加していただきました。3日間の合計で延べ 211名のボランティア調査員の方々に参加していただき、147羽のさえずり個体を確認することができました。さらに、会員による追加調査を含めた4月初旬までの調査全体では、総計でさえずり個体が227羽となり、延べボランティア調査員の総数は301名となり、これまでに最も多くの方々にご協力をいただいたことになります。

 またこれまでと同じように今年も奄美野生生物保護センターや鹿児島森林管理署の協賛、鹿児島県大島支庁農林課・名瀬市・笠利町・龍郷町・大和村・住用村・瀬戸内町のご後援をいただくことができました。奄美博物館には調査員説明会の会場を提供していただきました。調査に参加されたみなさん、ご支援をいただきました諸団体や個人の方々に対し、改めて心から感謝致します。ご支援、ご協力ありがとうございました。

特定非営利活動法人 奄美野鳥の会 副会長 高 美喜男

●2008年オオトラツグミさえずり調査結果
調査日調査地調査地点調査員確認羽数前年確認羽数
3/18(火)金久田川1122
3/19(水)神屋国有林2222
3/20(木)金川岳9161211
役勝(国道59号)5889
興福地線4442
清水3324
3/21(金)勝浦2477
3/22(土)湯湾岳59118
川内川4475
小湊安木屋場線661210
和瀬2245
3/23(日)奄美中央林道401044778
スタルマタ村道616109
三太郎峠西仲間・石原3538
住用ダム線61284
油井岳5121412
古仁屋・地蔵峠3652
3/24(月)戸口林道4411
安念勝林道2222
三太郎峠東仲間・見里223(実施せず)
丸畑線5517
3/28(金)朝戸223(実施せず)
3/29(土)赤房線6673
役勝川上流444(実施せず)
篠川1111
3/30(日)大和川1300
大棚川2201
大和村役場前1100
思勝林道1100
三田川1100
湯湾岳線(名音側)2213
志戸勘線1103
3/31(月)枝手久島220(実施せず)
4/01(火)田検川2201
4/04(水)網野子・節子3472
4/05(土)知名瀬林道2212
根瀬部林道2230
大名線11131315
湯湾釜線1101
津名久清川線1111
4/06(日)大良川(上流)1112
湯湾岳線(今里側)3321
マテリア線2332
フォレストポリス周辺2235
小川岳東側一帯332
戸円2225
今里1133
4/12(土)山間川2221
戸玉川2233
4/13(日)長雲峠110(実施せず)
秋名川110
円川110
嘉渡川110
合 計53地域187地点301人227249羽
(41地域・172地点・246人)
●オオトラツグミのさえずり個体のセンサス結果の推移
奄美中央林道その他合 計
199024羽1羽25羽
199440羽14羽54羽
199518羽14羽32羽
199618羽11羽29羽
199727羽14羽41羽
199821羽17羽38羽
199944羽28羽72羽
200025羽36羽61羽
200140羽34羽74羽
200240羽37羽77羽
200343羽61羽104羽
200442羽84羽126羽
200568羽103羽171羽
200647羽118羽165羽
200778羽171羽249羽
200847羽180羽227羽
*「その他」の観察は、1990年と1996年は任意観察のみであるが、1994年と1995年、および1997年以降は定点観察も行なった。1994年、1995年、1997年以降に比べて、1996年の観察地点はかなり少なく、見落としが多い。
(1990-1995は、石田ほか1995から抜粋)
 1998年以前は奄美中央林道の里・金作原地区と神屋地区のみの調査であったが、1999年以降は奄美中央林道全域を調査した。
 その他の場所は年々観察地点が増えているため、個体数が増えている。

*表は、Strix vol.15.1997.『オオトラツグミのさえずり個体のセンサス結果(1996年春)奄美野鳥の会』に1997年以降の調査結果を加えて作成。

 今回はこれまでの調査で最も多い延調査員総数301名で、オオトラツグミが生息している可能性のある奄美大島のほぼ全域を調査することができました。オオトラツグミのさえずり個体数の集計総数は227羽でした。

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