2011年 7月のフィールドノートから

7月1日 大和村フォレストポリス

 鳥友より嬉しいメールが届く。なんでもフォレストポリスでタカサゴクロサギが出たという。この鳥、トカラや沖縄では何度か出ている迷鳥で、いつか奄美でも出るに違いないと思っていたのだが、ついに出現したらしい。翌日、さっそく行ってみると、先客の鳥仲間がちらほら。なんでも今日は出ていないという。さては早くも飛び去ってしまったのか。仲間が去ったあと、ライファーのタカサゴクロサギを諦めて、トンボを探すことにする。ここは奄美を代表するトンボの産地でもあるのだ。シオカラトンボがイシガケチョウを捕食するようすやハネナガチョウトンボが交尾するようすなどを観察していると、目の前の葦原から1羽の鳥が飛び出した。至近距離だったので双眼鏡がなくてもわかる……タカサゴクロサギだ。どうやら葦原でじっとしていたところを、私が気づかずに近づきすぎ、たまりかねて飛んだようだ。

 ふわりと飛んだササゴイくらいの大きさ(に感じた)鳥はいったん近くのリュウキュウマツの横枝に止まった。チャンス、と思ってビデオを向けたとたん、殺気を感じたのか遠くへ飛び去ってしまった。残念ながら証拠映像は撮影できず。とまれ、久々のライファーで心が躍った。

▲イシガケチョウをむしゃむしゃ食べるシオカラトンボ。こうして目の当たりにすると、トンボは肉食昆虫だと再認識させられる。
▲日本では奄美でしか観られないハネナガチョウトンボ。

7月14日 大和村某所

 7月1日に某所にナゴランを観に行ったところ、一輪のみ咲いていた。その際つぼみがあったので、いまごろはさらに数輪咲いているかもしれぬと思い立ち、再訪してみた。

▲7月1日にはこんなふうに一輪だけ咲いていたのだが……。

 しかしながら、半月も間を開けるとさすがに花期は終わっていて、花はすっかり枯れたあとだった。それではと沢に降りてキバナノセッコクを探す。こちらのランはきっといまが見頃のはずだ。探すこと数分、ちょうどよい感じに咲いているキバナノセッコクを発見。さらに近くではアマミクサアジサイがようやくちらほら小さな花を開きはじめたところ。こちらはこれから盛夏になると満開になるはず。

▲シイの古木から垂れ下がるキバナノセッコク。
▲小さな紫色の花が開きはじめたアマミクサアジサイ。

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