2024年 1月のフィールドノートから

1月6日 奄美市住用町内海

 年明け早々に鳥仲間から内海の公園にマキバタヒバリが来ているという情報をもらい、さっそく観にきてみた。なるほど公園の芝生の上をタヒバリ30羽ほどが歩いている。あの中に交っているのだろう。双眼鏡を当てたとたん、群れが一斉に飛び去った。公園に人が近づいてきたため、遠くへ逃げていったのだ。戻ってくるまでしばらく車内で待つことにする。晴天で気持ちのよい朝。空からはピックイーというおなじみの声とともにサシバが悠々と旋回している。そのうち人がいなくなり、芝生にタヒバリの群れが戻ってきた。一番近い個体で20メートルくらいの距離があり、少し遠いが、車から降りるとまた飛んで逃げてしまうだろう。車の中からマキバタヒバリを探す。群れの端のほうに1羽、若干体が小さく色が薄い個体がいる。マキバタヒバリだ! なかなか近づいてくれないが、さかんに食物を探していた。

▲鳴きながら旋回するサシバ
▲一心に食べ物を探すマキバタヒバリ

*番外編*1月22日~27日 沖縄島

 アマミヤマシギ調査のために沖縄島を訪れた。調査は夜間なので、昼間は時間がある。ということで、空き時間を利用して野鳥の観察。24日は名護のネオパークの池で越冬しているというアカハシハジロとメジロガモを観にいく。ネオパークの入場料1600円を払い、園内の池に向かう。目指すアカハシハジロはすぐに見つかった。入場料を払って野鳥を見るのは不忍池のクビワキンクロ以来だろうか。まるで園で飼われているかのようにこちらを気にすることもなく、ゆったりと水面を泳いでいる。別の方角の水草の繁茂した水面にはメジロガモが3羽。こちらはさらに警戒心が薄く、のんびりと羽繕いをしていた。25日はいろんな鳥が群れている奥の農耕地を訪れた。23日の昼間にアマミヤマシギのいそうな場所を下見した際に、発見した場所だ。農地に漉き込むために堆肥が積んであり、そこへノビタキ、ルリビタキ、ツグミ、ハチジョウツグミ、キセキレイ、コチドリなどの鳥が次々と食べ物を探しにやってくるのだ。その日まず迎えてくれたのはタゲリだった。強風の中、冠羽を揺らしながら、こちらを恐れることもなく、至近距離まで近づいてくれた。堆肥の近くではウグイウやムジセッカを確認。観察を続けていると、見慣れぬ小鳥が出現。オガワコマドリのメスだ。オスのように喉が青くないので地味だが、尾羽と上尾筒の赤茶色ははっきり確認できる。GC斑も認められるので幼鳥っぽい。最終日の27日、那覇空港に戻る途中で三角池に立ち寄った。クロツラヘラサギが22羽休んでおり、そのうち2羽は足輪付き。ひとつは赤い金属リングに「K31」の文字がついている。韓国で標識された個体のようだ。もう一羽は右足を曲げており、左足の黄と赤のリングしか確認できず。カモはコガモが多いが、その中に1羽アメリカコガモのオスが入っていた。

▲他のカモから距離を置き、1羽で泳ぐアカハシハジロ
▲羽繕い中に腹部を見せるメジロガモ
▲冠羽が風でなびくタゲリ
▲堆肥の山に現れたオガワコマドリのメス
▲「K31」の足輪付きのクロツラヘラサギ
▲アメリカコガモのオス
タイトルとURLをコピーしました