過去最高人数のボランティアの方に支えられて実施したオオトラツグミ一斉調査の結果、確認できたさえずり個体の数をお知らせします。
オオトラツグミ一斉調査にご協力いただき、有難うございました。
10周年目となる今年のオオトラツグミ一斉調査へは延べ159名もの方々にボ ランティアとして参加いただき、湯湾岳や油井岳などのほか、奄美中央林道42kmを一挙に調査することができました。
多くの皆様方のご協力に、心より感謝致します。
一斉調査実施日:2004年3月13日(土)・14日(日)・15日(月)
世界で奄美大島にのみ生息するオオトラツグミは、個体数が非常に少なく絶滅が危ぶまれている大変貴重な野鳥です。主に原生林の谷間付近などに生息しているのですが、そのくわしい生態などについては不明な点が多く、保護対策も充分なされないまま、心配な状態が続いています。
私たち奄美野鳥の会では、このオオトラツグミの繁殖個体数の増減を把握し記録しておくために、1994年からオオトラツグミが一斉にさえずり始める毎年3月に奄美大島で一斉調査を行っています。この一斉調査は、オオトラツグミがさえずる夜明け前の薄暗い時間帯に、林道を歩きながら、さえずりを地図に記録していくもので、短時間に多くの人の参加を必要とするものです。
今年は、3月13日(土)に定点調査(一部ルートセンサス)、14日(日)の一斉調査(奄美中央林道全域)、15日(月)に補足調査を実施し、一斉調査で把握できなかった残りの地域につきましては、4月初旬までに奄美野鳥の会の会員で順次追加調査を行いました。
その結果、13日の補足調査(湯湾岳など)に32名、14日の奄美中央林道全域(油井岳とスタルマタ林道を含む)の一斉調査に114名、15日の再・補足調査に13名の方々がボランティア調査員として参加していただきました。3日間の合計では、延べ159名のボランティア調査員の方々に参加していただき、102羽のさえずり個体を確認することができました。
さらに、会員による追加調査を含めた4月初旬までの調査全体では、総計でさえずり個体が126羽となり、これまでで最も多くのさえずり個体総数を記録し、延べボランティア調査員の総数も182名にのぼりました。参加者もこれまでに最も多くの方々にご協力をいただいたことになります。
またこれまでと同じように今年も奄美野生生物保護センターや鹿児島森林管理署の協賛、鹿児島県大島支庁農林課・名瀬市・笠利町・龍郷町・大和村・住用村・瀬戸内町のご後援をいただくことができました。奄美博物館には調査員説明会の会場を提供していただきました。調査に参加されたみなさん、ご支援をいただきました諸団体や個人の方々に対し、改めて心から感謝致します。ご支援、ご協力ありがとうございました。
特定非営利活動法人 奄美野鳥の会 会長 高 美喜男