アマミヤマシギ調査報告2

アマミヤマシギ テレメ調査の現状(2003年1月~4月)

 昨年からの取り組んでいるアマミヤマシギの調査は、第2ステージのテレメ調査(ラジオテレメトリー調査)に入っています。これは対象動物に小型発信機をつけ、受信機でその電波をキャッチすることで動物の行動や生態を調べる方法です。まずは繁殖行動が始まる前にアマミヤマシギを個体捕獲し、それに発信機をつけるという作業を行いました。目標は3羽です。

 1月、非繁殖期、特に冬季のアマミヤマシギは広く分散しているようで、調査予定地ではその姿を観ることさえ稀でした。週に二度づつ、姿を見つけたら捕獲しようとたも網持参で見回りを行いましたが、捕獲には至りませんでした。2月の下旬には繁殖行動が始まると予想され、本当にこんな調子で捕まえることができるのだろうかと不安になりましたが、諦めずに見回りを続けました。

 それが2月になるといきなり状況が変わりました。アマミヤマシギの数が明らかに増えたのです。特に早朝、日の出前の尾根筋でよく見かけるようになりました。そして、次のように立て続けに3羽の個体を捕獲し、発信機をつけることができました。

 No1個体 2月2日午前5時8分
 No2個体 2月7日午前6時12分
 No3個体 2月9日午前6時20分


 一時は1羽も捕獲できないのではないかと心配しましたが、無事に目標を達成できました。

▲No3個体 この後足環と発信機を装着し、放鳥(2003年2月9日)

 発信機装着に成功した翌週から、週2回のペースでテレメ調査を行っており、現在(2003年4月14日)も継続的に受信データを収集中です。今回は比較的順調にデータが集まっており、特にNo2個体とNo3個体については、ほぼ毎回居場所が特定できつつあります。これにより繁殖期のアマミヤマシギの生態が少しでも解明できればと思います。

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