2017年 5月のフィールドノートから

5月21日 徳之島三京

 バードリサーチの全国鳥類繁殖分布調査のために徳之島へやってきた。亀津と井ノ川の調査を済ませ、今朝は三京の調査である。5月中旬ともなると、奄美群島の留鳥は巣立ってしまっており、求愛・営巣中なのは夏鳥のアカショウビンやサンコウチョウなど数種類しかいない。それだけにルートセンサスで聞こえてくるのは、アカショウビンやサンコウチョウの鳴き声が多い。珍しくツツドリの声も聞いた。遅い渡りの途中なのだろう。定点調査では目の前に鳥たちが現れてくれるのが嬉しい。徳之島はどこへ行っても奄美大島よりもイソヒヨドリが多い気がする。アカヒゲやヤマガラの巣立ったばかりの幼鳥が警戒心もなく近くにやってきてくれるのは楽しいね。

▲まだ嘴の黄色いアカヒゲの幼鳥。
▲電線に現れたヤマガラの幼鳥。

5月31日 奄美市名瀬大熊漁港

 夏の使者ベニアジサシとエリグロアジサシがやってきたと聞いて、大熊漁港にやってきた。やってきたといっても、その数はベニアジサシ2羽にエリグロアジサシ3羽ほど。なんだか寂しいが、もう少し経てば数も増えてくるのだろう。彼らの目当てはカツオ漁の生餌として小魚を飼っている生け簀である。ここに来れば労せずして餌にありつけることを知っているのだ。しかし、ここにはいつも先客がいる。ダイサギやクロサギなどのサギたちだ。生け簀の外の枠に止まり、首を伸ばして一瞬のうちに小魚をキャッチする。ときどきバランスを崩して、生け簀の中に落下する個体もいるのはご愛嬌。

▲今年初めて観察したベニアジサシ。
▲クロサギの黒色型と白色型が仲良く小魚を狙っている。
タイトルとURLをコピーしました