2022年 2月のフィールドノートから

2月13日 宇検村湯湾

 一年ぶりに湯湾集落での探鳥会。ちょっと寒いが雨は降っていない、まずまずのコンディションでの実施となった。まずは公園で観察。例年ツグミの仲間が見られる場所だが、今年は数が少ない。かろうじてシロハラが確認できる程度。ヤマガラやメジロ、ウグイス、ヒヨドリなどの姿も。陸上競技場横の小川では採餌中のササゴイを確認。出合い頭に我々の一団と鉢合わせになり、大慌てで逃げていった。グラウンドではハクセキレイとツメナガセキレイが採餌をしていた。フェンスにはサシバの幼鳥が、ポールの上にはチョウゲンボウが止まっている。河内川をのぞくと、カルガモ、オナガガガモ、オカヨシガモ、カワウなどが確認できたが、どれも遠い。最後に調整池を見渡すと、キンクロハジロとカイツブリ、オオバンなどが観察できた。全体的に数は少なめだが、種類は多めで満足できる探鳥会になった。

▲餌を探すツメナガセキレイ。
▲サシバの幼鳥。
▲調整池のオオバン。

2月27日 龍郷町某所

 龍郷町にある某池でリュウキュウヒメミズシマシが見つかったということで、水生昆虫の調査をおこなう。まだ2月なのでトンボは飛んでいないが、水面にはリュウキュウヒメミズスマシがなるほど元気に泳ぎ回っている。オオミズスマシも確認されているようだが、残念ながらこのときは見つからなかった。他に水面ではアマミアメンボの成虫と1令幼虫が確認できた。たも網ですくうと、トビイロゲンゴロウやマメゲンゴロウ、ツヤコツブゲンゴロウなどの他、コマツモムシの仲間やイトトンボ類のヤゴが入る。総じて昆虫の数は多くないが、もう少しあったかくなればもっといろいろな水生昆虫が発生するのではなかろうか。この貴重な環境が存続することを、ぜひ期待したい。

▲環境省指定の絶滅危惧ⅠA類のリュウキュウヒメミズスマシ。体長5ミリ程度の地味な虫。
▲こちらは体長3ミリほどのツヤコツブゲンゴロウ。老眼のためもはや裸眼では模様も見えず、ただの黒いゴマ粒。
▲池の近くには鹿児島県指定絶滅危惧Ⅰ類のアツバハイチゴザサも生えていた。
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