2004年 11月のフィールドノートから

11月14日(日) 大和村福元盆地

 新聞やTVでも取りあげられたサツマイモ畑に集まるルリカケスを実際に観にきてみた。現在は大半がフォレストポリスになってしまった福元盆地であるが、公園の周辺にはまだタンカンやサツマイモの畑が点在している。そのイモ畑に集団でルリカケスが現れ、イモを奪っていくというのだ。サツマイモはいまが収穫の時期で、いくつかの畑で農家の人が収穫作業を行っている。さすがに人のいる畑にはルリカケスは来ないようである。どこにいるのかと、あたりを見回していると、さっそくイモをくわえたルリカケスが上空を通過するではないか。飛び立った方向へ行ってみると、そこもイモ畑。しかも作業中の人がいずに、畑には掘り起こしかけたイモが散らばっている。ルリカケスにとっては恰好のエサ場である。畑の中にはすでに10数羽のルリカケスが集まり、イモを探しては、その場でついばんだり、安全な場所まで運んだりして、食いたい放題。

 今年は台風の影響もあり、シイやカシの実が少ないのも事実であるが、こんなにいいエサ場を見つけたら、たとえドングリが豊富でもここに集まるだろうな、と思う。小さなイモを少々ルリカケスに持っていかれたくらいで目くじら立てずに、この島にしかいない天然記念物にあたたかい心で接して欲しいと思うのだが……。こんなに近くでたくさんのルリカケスに接することができるだけで、幸せではないか!

▲畑に集まりサツマイモをあさるルリカケス。中央の個体はイモをゲット!

11月21日(日) 宇検村湯湾岳

 今年はどうやら冬鳥が多そうで、いま山道を走るといたるところでシロハラと出くわす。まだ渡りの途中かもしれないが、例年になくアカハラやマミチャジナイも多い。これらのツグミ類が、ともかくあやうくぶつかりそうになるくらいたくさんいる。これならバンディングにもかかるだろうと、網を張ってみたところ予想的中。はしからシロハラがかかる。シロハラの他にはアカハラ、ルリビタキ、シジュウカラなど。今年の冬が楽しみになってきた。

▲アカハラのオス成鳥。
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