2021年 10月のフィールドノートから

10月14日 龍郷町戸口

 今年もカワウ調査がはじまった。去年の初認が10月16日ということで、この時期に調査をスタート。しかし、去年も戸口川ではカワウは確認できなかった。リュウキュウアユの産卵床近くの水位が低く、カワウが着水できないのだ。その状況は今年も変わっておらず、戸口川ではカワウはあまり期待できそうにない。カワウはわからないが、今年はサシバの渡来が早く、すでに各地でその姿を見かける。待機地点の近くの木の枝にも1羽が止まり、さかんにピックィーと鳴いている。浅い川にはたくさんの魚が泳いでいる。双眼鏡でのぞいてみると、リュウキュウアユではなく、ボラばかりのようだった。戸口川の河口のほうへ移動すると、川面が一面グレーになって淀んでいる。小笠原諸島の海底火山から噴出された火山灰や軽石が、はるか奄美大島の東海岸へ漂着しているのだ。それらが打ち上がった中州にたたずむムナグロの姿が印象的だった。

▲木の枝で鳴くサシバ。
▲川の中にはたくさんのボラが。
▲火山灰の前でたたずむムナグロ。