2007年 11月のフィールドノートから

11月12日 奄美市八津野

 今年はドングリが豊作である。スダジイはいたるところにたくさん落ちているし、アマミアラカシも多い。これらの堅果は野生の動物にとって、非常に有益な食料資源となる。ケナガネズミもアマミノクロウサギもリュウキュウイノシシもルリカケスも大喜びしていることだろう。まさに恵みの秋である。

 久しぶりに八津野の森を歩いていると、ウラジロガシの実が落ちているのを発見。上を見るとまだ青い実がたくさんなっていた。オキナワウラジロガシの実は日本最大のドングリとして有名だが、ウラジロガシの実はアマミアラカシとよく似ている。実だけだと、見分ける自信はないな。

 ウグイスが一気にわたってきたようで、いたるところでチャッチャッという地鳴きを聞く。そんななかにタッタッと乾いた声で鳴く鳥が1羽。ムジセッカである。この鳥はムシクイの仲間なのにシャイなので、姿はちらっとしか見ることができなかった。ある程度の数が奄美で越冬していると思われるが、実態は不明なのである。

▲ウラジロガシの堅果。ウラジロガシの葉は細長く鋸歯のあり、名前のとおり裏が白い。
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