2008年 8月のフィールドノートから

8月3日 奄美市某所

 昨年シコウランの情報を聞いたものの、時期を逃して観られなかったので、今年、改めて出かけてみた。

 川沿いの林道を歩く。道の脇の木には結構たくさんのコケやシダが生えていて、たしかに着生ランにとっては条件がよさそうだ。目指すシコウランは意外なほどすぐに見つかった。急斜面の途中のシイの木に着生しており、すぐそばまでは近づくことはできない。コンパクトデジカメでは太刀打ちできないが、こういうときはビデオが力を発揮する。ビデオでズームにして撮影。淡いピンク色が確認できる。花びらを広げた手の指の爪に見立てて指甲蘭というのだ。

 そのままレンズを幹に沿って上げていくと、シコウランよりも小ぶりな着生蘭がたくさんついている。カシノキランである。黄色くて小さな花がかたまって咲いており、これはこれで可憐だ。野生蘭の種類が多いのも奄美大島の特徴。こういう環境がいつまでも保たれますように。

▲シコウランの花。黄色の地にほんのりとピンクがかっている。
▲同じ木にたくさんついていたカシノキラン。