2013年 4月のフィールドノートから

4月26日 宇検村湯湾

 最近宇検村総合運動公園のグラウンドが熱い。手入れが行き届いていないせいか野球場の外野は雑草が適度に伸びていて、地上採餌性の鳥が渡りの途中で栄養補給するにはもってこいの環境になっているのだ。例年、必ずと言っていいほど珍鳥が入るが、今年はすでにコシャクシギとアカガシラサギが入っているらしい。そして、新たにヨーロッパビンズイのニュースが。ということで、さっそく出かけてみた。

 陸上競技場に着いたとたん、たくさんのセキレイたちに歓迎される。ハクセキレイにツメナガセキレイ、それぞれ亜種がいくつか混じっている。さらには頭がまっ黄っ黄のキガシラセキレイのオスもいる。ヨーロッパビンズイはムネアカタヒバリの群れに交じっているという話だが、そもそもタヒバリ類がいない。こちらは早々に切り上げて、隣の野球場のほうへ移動する。
 
双眼鏡を当てるまもなくすぐに大きな鳥が目に入った。コシャクシギだ。あまり警戒しない個体で、悠々と歩いている。そのあとを追うように、タカブシギとマミジロタヒバリがつかず離れず移動しているのがおもしろい。ウシのあとを歩くアマサギのようだ。しばらく観察していると、どこからともなくムネアカタヒバリの20羽ほどの群れが飛来した。チャンス到来だ。目を皿のようにして探し、ようやくヨーロッパビンズイらしき鳥を確認。もっとビンズイに似ているかと思ったら、案外ムネアカタヒバリに似ているじゃないの。これじゃあ、教えてもらわなかったらわからないかも。タヒバリ類、もう少し勉強したほうがいいなあ。

▲草の伸びたグラウンドを悠々と歩き餌を採るコシャクシギ。