2015年 12月のフィールドノートから

12月10日 奄美市名瀬大川河口

 奄美にカタグロトビ飛来の連絡が入ったので、出かけてみた。T氏が発見した7日からすでに三日が経っており、まだ滞在してくれているのかどうか、期待と不安が渦巻く中、教えてもらったポイントに到着。いきなり大川の上をひらひらと舞う白っぽい猛禽を発見。もしやと思って双眼鏡を当てると、案の定カタグロトビである。事前の予習不足でホバリングをする習性を知らなかったため、いきなり意表をつかれる。慌ててビデオを取り出そうとしているうちに、どこかへ飛び去ってしまった。その後、しばらく農耕地を探すが、なかなか見つからない。発想を変えて集落の近くに行ってみると、いたいた、電線に止まっている。しばらく周囲を見渡すと、飛び上がり、再びホバリングをはじめた。これまで日本で記録されたカタグロトビには翼下面の初列風切羽だけが黒いタイプと三列風切まで黒いタイプと2タイプがあるとのことだが、本個体は後者のようだ。思ったよりも小柄で美しい猛禽、どうか春先まで滞在してほしいものだ。

▲電線に止まるカタグロトビ。雨覆の羽縁に白色部があり、幼鳥と思われる。
▲ホバリングをすると、肩と翼下面の黒色部がよくわかる。

12月15日~16日 奄美市名瀬大川河口

 冬鳥もそろってきたところで大川河口でT氏のバンディングを手伝う。今回はバンダー志望のM氏が沖縄からいらっしゃっており、その勉強を兼ねてのバンディングである。捕まるのはアオジ、シロハラ、ウグイス、メジロが多く、他にはノゴマ、ジョウビタキ、ヒヨドリなど。どれもこの場所の常連ばかりだが、驚いたのは15日の夕方に網にかかった1羽のジシギ。てっきりタシギかと思ったら、なんと外側の尾羽が極端に細いではないか。いやはや勉強になりました。こんなことがあるからバンディングはやめられない。

▲ハリオシギの外側尾羽、ほそっ!
▲こうして見ると、タシギよりも嘴が短いように見える。
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