2015年 11月のフィールドノートから

11月12日 奄美市住用町某所

 用事があって夜の林道を走る。今宵は新月のため、アマミヤマシギはあまり出現しない。そのかわり、アマミノクロウサギは次から次へと道路へ出てくる。マングース駆除の成果があがり、確実に数が増えている気がする。なかには道路上でぼうっとしている個体がいるので、久しぶりにヴィデオで撮影した。これだけのんびりしていると、交通事故が心配になる。マングースの次はノネコやロードキル。クロウサギにとっての脅威は決して減っていない。

 近くの枝先で眠るルリカケスを発見。顔を背中にうずめ、スポットライトを当てても、起きるようすがない。枝先で眠る野鳥は光に敏感な種類と、鈍感な種類がある。敏感なのはアカショウビン。光を当てるとすぐに目を覚まして飛んでいってしまう。一方、鈍感な代表はオオトラツグミだろうか。こちらはかなり近くから光を当ててもなかなか起きないことが多い。ルリカケスはどちらかというと敏感な方だが、この個体はいくらライトを当てても目を覚まさなかった。よほどお疲れだったのだろうか。

▲道路上でかたまって動かないアマミノクロウサギ。
▲木の枝で深く眠るルリカケス。

11月22日 瀬戸内町請島池地

 請島での探鳥会。去年は請阿室の集落周辺を散策したが、今年は池地で実施。請阿室にしても池地にしても、古き良き奄美の姿をいまに伝える貴重な集落だが、高齢化、過疎化の波が押し寄せており、廃屋が多いのが気にかかる。就学児童もいなくなり、小学校も休校になったままだという。たしかに不便なことは間違いないが、こうして離島は次第に無人化していくのだろうか。寂しいことである。

 鳥のほうは、ルリカケスの生息が確認されたり(声だけだったが)、冬鳥のアオジやシロハラが目撃されたり、数の少ない渡り鳥ノジコが観察されたりで、なかなか充実していた。イソヒヨドリ対ハラビロカマキリの戦いも楽しめたしね。

▲白いアイリングがはっきりしているノジコ。
▲イソヒヨドリVSハラビロカマキリその1。最初は両者睨みあい。
▲イソヒヨドリVSハラビロカマキリその2。イソヒヨドリが先制攻撃。
▲イソヒヨドリVSハラビロカマキリその3。ハラビロカマキリの逆襲。この後、イソヒヨドリは退散。