2016年 10月のフィールドノートから

10月17日 奄美市住用町 東仲間

 今年は数年ぶりにモダマが豆をつけたというので、観に来た。なるほど極太の蔓から緑色の大きな鞘がいくつも垂れさがっている。まだ豆が十分に膨らんでいないのか、鞘はまだ薄い気がする。鞘が茶色くなって落ちる頃には、豆は十分に大きくなっているはず。近くでカラスバトの唸るような鳴き声が聞こえる。臆病な鳥には珍しく、比較的近くの枝に止まってこちらを警戒しながら鳴いていた。空からピックィーとよく通る声。この一週間でサシバが一気に増えた。東仲間から川内にかけての農耕地にも、オス、メス、幼鳥とさまざまなサシバが止まり木から獲物を狙っている。中に1羽の暗色型を発見。暗色型は止まっているときにはほとんど焦げ茶色一色で精悍に見えるが、飛ぶと風切の裏側と尾羽の裏側が白いことがわかる。秋空にサシバの飛翔はよく似合う。

▲久しぶりに実をつけたモダマ。
▲止まり木から餌を探す暗色型のサシバ。
▲暗色型サシバの飛翔。風切と尾羽の裏側は白い。