2020年 8月のフィールドノートから

8月19日 龍郷町某所

 奄美大島では国立公園指定地域でのクワガタムシを中心とする違法採集が後を絶たない。それを少しでも防止するため、奄美野鳥の会では環境省の委託を受けて、夜間のパトロールをおこなっている。この夜は旧暦7月1日の新月。満天の星がきらめく中、パトロールをおこなった。林道を車で走っていると、頭上からジェエ、ジェエと甘えるような声がする。リュウキュウコノハズクの幼鳥が電線にとまっている。巣立ったばかりの幼鳥はまだ自分では狩りをせず、親にエサをねだる。ライトを当てると、邪魔するなと言わんばかりに睨みつけられた。幼鳥でも眼光は十分に鋭い。

 別の梢では、メジロのペアが身を寄せ合って眠っていた。この熱帯夜にそこまでくっつくこともあるまいにと思うのだが、まあ、あまり邪魔せぬように、写真を1枚だけ撮ってライトを消した。

 パトロールの終了間際、車のヘッドライトに小ぶりな哺乳類の影がいくつか浮かびあがった。ネコかと思えばさにあらず、7匹のウリ坊の群れである。なぜか親の姿は見えず、7匹一団となって逃げていく。『オオカミと七匹の子山羊』ではないが、母親のいない間にノネコに襲われませんように。

▲眼光鋭く睨みつけるリュウキュウコノハズクの幼鳥。
▲仲良く寄り添って眠るリュウキュウメジロ。
▲車から逃げる途中、エサを食べはじめたウリ坊(7匹のうち5匹)。
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