2021年 5月のフィールドノートから

5月22日 奄美市住用町三太郎峠

 今年から日本鳥類保護連盟さんと一緒にオーストンオオアカゲラの調査をはじめる。4月には全島での分布を押さえたが、今月は捕獲して発信機を着ける予定。可能であれば、繁殖後期のヒナが大きくなり、育児放棄のリスクが減ったステージのオスの親を捕獲したいと考え、下見に来た。この巣穴ではオスとメスが交互に5~10分おきにヒナに給餌にきている。ちょうど狙い目かもしれない。メスはヒナにエサをなかなか与えず、ヒナが巣穴の出口まで取りに来るのを促しているように見えるが、オスのほうはずんずん巣穴に入っていき、エサを与えている。オスとメスの性差なのか、それとも個体差なのか。

▲甲虫類の幼虫(コメツキムシ?)を運んできたメスの親。なかなかヒナに与えず、自立を促しているのか?
▲同じく甲虫類の幼虫(クワガタムシ?)を運んできたオスの親。このあとすぐに巣穴に入っていく。親バカなのか。

5月29日 大和村フォレストポリス

 某所でオーストンオオアカゲラの巣を観察。オス親がタブノキの実を運んできた。おそらく子の巣のヒナはかなり大きくなっているのだろう。声も大きく、キョッキョと鳴いていた。観察後、フォレストポリスに回る。アカメガシワの葉裏にアカギカメムシを発見。子育てをするカメムシの一種だが、まだ1令幼虫のようで、親虫にまとわりついていた。ここのオーストンオオアカゲラの巣はなぜがGW前に突如放棄されたが、その後新たな巣は見つからなかった。子育てが終わったのか、繁殖しなかったのか、メスの成鳥がのんびりと枝をつつき、小さな昆虫(アリ?)をさかんについばんでいた。

▲ヒナにタブノキの実を持ってきたオーストンオオアカゲラのオス。
▲1令幼虫を保護するアカギカメムシ。
▲木をつついてはアリのようなものを食べるオーストンオオアカゲラのメス。