2022年 7月のフィールドノートから

7月6日 奄美市笠利町土盛海岸

 観光客に人気の高い土盛海岸の沖の岩礁は10年ほど前までアジサシ類の繁殖地となっていた。近年はアジサシの飛来がない年も多かったのだが、昨年は久々に多くのベニアジサシで賑わった。しかしながら、7月末に台風がやってきて、繁殖は失敗してしまった。今年はどうだろうと思っいると、去年以上にたくさんのアジサシの姿があるではないか。ベニアジサシは100羽ほど。すでに抱卵しているようだ。エリグロアジサシも少なくとも2つがいはいるもよう。今年こそは繁殖がうまくいきますようにと祈るばかり。

▲構造色で胸がピンクに染まったベニアジサシ
▲過眼線がスマートな印象のエリグロアジサシ

7月22日 奄美市笠利町大瀬海岸

 土盛海岸のアジサシたちは今のところ順調のようだ。立ち入り禁止の防護柵を設置した後、大瀬海岸にやってきた。この夏はクロツラヘラサギが4羽逗留している。長いしゃもじのような嘴を背中に差し込んで眠っていたが、突然目覚めて嘴を海中に突っ込み、首を左右に動かして採餌をはじめた。魚が現れたようだ。近くにいたダイサギやコサギもこぞって魚を追いかけまわす。見事にキャッチしたのは、1羽のクロツラヘラサギだった。前川の河口周辺にはオグロシギ、サイクル橋付近にはタカブシギの姿も。夏真っ盛りだが、すでに秋の渡りははじまっている。

▲見事に魚をゲットしたクロツラヘラサギ
▲餌を探す夏羽のオグロシギ
▲海水よりも淡水を好むタカブシギ
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