2021年 8月のフィールドノートから

8月7日 龍郷町自然観察の森

 奄美野鳥の会の8月の観察会は、毎年恒例のナイトウォッチング。夏休みということもあり、例年家族連れでにぎわうのだが、今年はコロナの影響と近づきつつある台風のおかげで参加者は大人ばかり10人ほど。会の行事としては寂しい限りだが、おかげでじっくりと観察することができた。まずは自然観察の森でリュウキュウコノハズクの幼鳥とアカショウビンを観察、その後、外の道路をゆっくり歩いて、キイロスジボタルやアマミサソリモドキ、ヤマタニシの仲間、アマミナナフシ、マダラコオロギなどを眺める。最後の最後にオットンガエルも姿を現してくれた。

▲ヤマタニシの仲間。奄美大島には3種類のヤマタニシがいるそうで、種名まではわからず。
▲アマミナナフシかな。ナナフシの仲間は夜間にさかんに行動する。

8月20日 奄美市笠利町土盛海岸

 今年も結局、土盛海岸でのアジサシの繁殖は失敗に終わってしまった。7月下旬にやってきた台風6号で高波を浴び、卵やヒナがすべて流されてしまったのだ。コアジサシはともかく、ベニアジサシはどうして台風のリスクを冒してまで、夏の日本の南西諸島の岩礁なんかで繁殖するんだろう。成功率はきっと極めて低いはずだ。少なくとも奄美大島周辺ではここ数年、無事に巣立ったベニアジサシを観ていない。それはともかく、なにか大きめの鳥が飛んだと思うと、冬羽のアカガシラサギだった。アカガシラサギは水田や農耕地で観ることが多いので、出合い頭に海岸に現れたアカガシラサギにしばし呆然となる。

▲アジサシ繁殖地前に建てた防護柵も台風6号で一部倒れてしまった。
▲海岸に出現したアカガシラサギ。