2023年 4月のフィールドノートから

4月16日 奄美市笠利﨑望楼台

 バンディングをしながら北帰行の冬鳥を見送る。今年は季節の進行が早く、越冬中のサシバも4月上旬にはほとんどいなくなっていたが、それでも次々と南から渡って来るのか。この時期でも小規模なタカ柱が観察できる。ときにサシバの群れにノスリが交じり、オオタカやハイタカが加わることもある。ミサゴも北を目指して飛んでいくので、越冬個体もいるのだろう。ヒヨドリは400~500羽ほどの大きな群れになっている。子の群れを1羽のツミが追いかけまわしていたが、こいつは本土から来た個体か、それとも奄美の生まれなのか。

▲北を目指して飛び立つサシバ。
▲ノスリの姿もちらほら。
▲ヒヨドリは集団で渡っていく。

4月17日 龍郷町自然観察の森

 春爛漫。奄美自然観察の森ではアカヒゲがいたるところでさえずっている。なかなか観察しづらい小鳥だが、声を頼りに近づいてよく探せば、姿を見ることも可能だ。この日の午後は2個体を写真に収めることができた。森をぐるっと一周して池のところに来ると、なにやら地面を動き回る鳥が。オオトラツグミだ。警戒心の強い鳥であるが、この個体はかなり愛想がよく、それほど人目を気にせずに水浴びをして森の中へと飛び去った。

▲陽光を浴びると実に美しいアカヒゲのオス。沖縄島のホントウアカヒゲとは上面の色味がかなり違う。
▲午後だというのにさかんにさえずっていたアカヒゲのオス(上とは別個体)。
▲人前にあまり姿を現さないオオトラツグミがふと現れた。
▲陽の光の当たる中で水浴びを開始。