2023年 8月のフィールドノートから

8月13日 大和村フォレストポリス

 フォレストポリスの水辺の広場で、トンボの観察。今日はトンボのメスを探すことに。開放水面上を飛び回っていたり抽水植物に止まっていたりするトンボは一般的にオスで、メスは水辺から少し離れた木陰などで休んでいて、繁殖活動のときのみオスの待つ水辺に現れることが多い。目を凝らすと、さっそく見つかったのはタイリクショウジョウトンボのメス。鮮やかな朱色のオスと異なり、メスは気橙色の地味目の色合い。背面の黒条がよく目立つ。目を転じると、オキナワチョウトンボのメスが水辺のほうをうかがっている。一見、オスの模様に似ているが、翅の先端が透明で、オスに比べるとべっこう色の面積も少ない。解放水面では、ギンヤンマのメスがオスにガードされたまま産卵していた。ギンヤンマは植物の茎などに卵を産みつけるが、メスは腹端をかなり深い部分まで突っ込んでいた。ふとみると、オモダカの花からオキナワカラスアゲハが吸蜜していた。口吻にたっぷり花粉が付着しているのが面白い。みごとにポリネーターの役目を押しつけられている。

▲水辺から離れた茂みで休むタイリクショウジョウトンボのメス
▲翅先が透明なオキナワチョウトンボのメス
▲腹部をほとんどすべて水に沈めて産卵するギンヤンマのメス。
▲オモダカの花粉をいっぱい口吻につけて蜜を吸うオキナワカラスアゲハ。

番外 8月20日 長野県上高地

夏休み(といってもいつも休みのようなものだが)に上高地を散策。見上げる穂高連峰は壁のように屹立し、とても登れる気はしないけど、梓川の流域を散策するのはさわやかで気持ちがいい。結局15キロくらい歩いたかな。

▲梓川と穂高連峰。
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