2012年 8月のフィールドノートから

8月24日 龍郷町秋名

 もうぼちぼちシギチの渡りが始まるかなと思い、秋名の水田を訪れてみた。しかし、目につくのはタカブシギばかりで、目当てのジシギは1羽飛び立つのをちらっと目撃しただけ。この時期渡っているのはハリオシギが多いのではないかと踏んでいるのだが、どうなのだろう? 気になるところだ。

 奄美の稲刈りはおおむね7月で、今はマタヴェと呼ばれる二番穂が伸びてきている。そんな水田の中、身を屈めるようにしてリュウキュウヨシゴイのオスが歩いていく。この鳥の好適生息環境は年々減っているように思われ、観察機会も減ってきたように感じられる。水辺って大切だよな。

▲稲の間に身を隠すリュウキュウヨシゴイ。オスは喉から腹にかけて一本の黒線が走っている。

8月24日 龍郷町瀬留

 夜の林道をそぞろ歩いていると、目線の高さになにやら奇妙な形のオブジェがぶらさがって揺れている。ライトを当てて目を近づけ、そのものの正体を脳が認識した瞬間、ぎょっとして思い切りあとずさってしまった。なんとオオゲジがむしゃむしゃとガを食べているのである。犠牲になっているのはどうやらオオトモエのようだ。どうにもおぞましい光景……残念だが、オオゲジとカマドウマだけはどうしても友だちになれそうにない。

▲オオゲジの捕食風景。よく見るとオオゲジは何対かの極端に長い脚と触角を持っているのがわかる。
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