2005年 10月のフィールドノートから

10月8日(土) 瀬戸内町ハンミヤ島

 今年の夏は奄美野鳥の会恒例行事のハンミヤ島キャンプが海上のうねりのために中止となったので、有志でこの時期にオオミズナギドリとアナドリの繁殖状況を探りにきてみた。

 夏に比べるとずい分日没が早くなったが、暗くなった頃からミャーミャーと聞き覚えのある声が上空から聞こえてくる。オオミズナギドリのご帰還だ。去年や一昨年よりもたくさんの声が聞こえる気がする。夜の10時頃、アダンをかきわけて繁殖地の斜面に登ってみると、いたいた。地面をよたよた巣穴へ向かう親鳥を発見。あ、そっちも、あっちにも。ヒナはもう成長しており、ほとんど親鳥と見分けがつかないほどの大きさになっている。もうすぐ巣立ちなのだろう。翌日明るいなかで巣穴を数えたところ、少なくとも20巣、アダンの薮になっており踏み込めない場所を含めるとその倍くらいの巣があると予想された。オオミズナギドリは安泰でよかった。

 一方のアナドリのほうは時期すでに遅く、この時期には1羽の姿も鳴き声も確認できなかった。例年のように無事に巣立って大海原を飛び回ってくれていることを祈るのみ。

▲ハンミヤ島の白い砂浜にはハマコオロギが多い。

10月31日(月) 龍郷町秋名

 先週末、秋名にガンが出たらしい。情報が錯綜しており、ハイイロガンともマガンともカリガネとも噂がある。同じ個体なのかどうか、1羽なのかどうかもよくわからない。ということで探しに来てみたのだが、見つからない。渡りの途中に寄っただけなのだろうか。残念ながら影も形もない。

 刈り取って耕した水田跡にハシブトガラスがたくさん降りている。土のなかから何かを掘り出しては食べている。中に体の小さなカラスが2羽。ミヤマガラスである。このところ秋名には毎冬1羽のミヤマガラスが来ていたが、今年は2羽である。新参のミヤマガラスは地場のハシブトガラスのお気に召さないのか、降り立ってもすぐに追い立てられてしまう。このままひと冬居ついてくれるだろうか。

▲ハシブトガラス(左)に追い立てられるミヤマガラス(右)。
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