2004年 5月のフィールドノートから

5月5日(水) 晴れ 龍郷町自然観察の森

 自然観察の森で子育て中のオーストンオオアカゲラの経過を観にきた。もうヒナはずいぶん大きくなっているようで、巣穴の中から餌をねだる声が聞こえてくる。その声にせかされるように親鳥が交替で、5分おきくらいで餌を運んでくる。ヒナが巣穴から顔を出すのもまもなくだろう。

 近くのオガタマノキにはミカドアゲハの幼虫がたくさんついている。この幼虫、ぷっくり太っていて、目玉模様が可愛い。鳥の目からはさぞかしうまそうなエサに見えるんだろうなあ。

▲愛嬌のある目玉模様をつけたミカドアゲハの幼虫

番外編 5月11日(火)~13日(木) 山形県飛島

 ゴールデンウィークの頃は日本では春の渡りのピークに当たる。ことに日本海側の小島に行けば、いろんな種類の鳥たちが渡りの途中で休憩しているのに会える。往々にして本土では稀な迷鳥の姿を見かけることもある。東京に住んでいた頃は毎年この時期になると、対馬(長崎)、見島(山口)、舳倉島(石川)、粟島(新潟)、飛島(山形)などへ足を運んだものだ。奄美大島に移住してからは、しばらくこれらの島々から遠ざかっていたが、無性に行きたくなってきた。ちょうど5月には上京する予定があったので、ついでに飛島へ行くことに決めた。

 ゴールデウィークの翌週だったためにバードウォッチャーはほとんどいない。鳥もピークを過ぎて少ないかと思ったが、こちらは杞憂で実にたくさんの鳥たちが迎えてくれた。奄美ではほとんど見ることのできない鳥に会えると感動もひとしお。例えば、ツグミ科のシマゴマやコルリ、マミジロにクロツグミなどは声も姿もステキだし、ヒタキ科のオオルリやマミジロ、コサメビタキなどのかわいいこと! ホオジロ科のノジコ、シマアオジ、シマノジコなども嬉しい。結局3日間で89種の鳥を観察することができ、満ち足りた旅となった。

▲ノジコは日本でしか繁殖していない鳥。
▲本場北海道でも観づらくなったシマアオジ(オス)。
▲飛島からは日本海越しに鳥海山が見える。この景色がとてもいい。
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