2007年 9月のフィールドノートから

9月8日~9日 瀬戸内町ハンミャ島

 毎夏恒例のハンミャ島調査。今年は有志7名により昨年と同時期に行なった。今年の傾向はアナドリは例年より少なめで、オオミズナギドリは例年並みもしくは例年以上の数が営巣しているようだ。オオミズナギドリの営巣状況を、巣穴の中までちゃんと確認しようと思ったら、ファイバースコープなどの新兵器が必要かもしれない。ともあれ、この2種は健在でひと安心。

 ハンミャ島は白砂が吹き上がった特異な景観が名物だが、その砂も年々少なくなっている。日本各地で砂浜が消失している現象と同期しているのかどうだかわからないが、ちょっと心配である。

▲白砂の流出が進み、写真奥の斜面が年々急になっている。
▲オオミズナギドリのヒナはまだ綿羽状態。
▲アダンの熟れた実に集まるリュウキュウツヤハナムグリ。

9月17日 奄美市金作原

 モニタリング1000の土壌調査のために、ピットフォールトラップを開放に行く。オサムシやゴミムシなどの地上徘徊性の甲虫を捕獲するのが第一の目的であるが、奄美大島にはこの手の甲虫が少なく、捕まる小動物はといえば、クモ、フナムシ、トビムシがほとんどで、たまにごそっとセンチコガネ類が入るくらいである。しかもただでさえ少ない甲虫は真夏の暑い時期はますます数が減る。したがってピットフォールトラップも7月、8月は中断して、久々に開放するわけだった。プラスティック製の筒状のケースの蓋を次々に開けていく途中で、おもしろい生き物を発見。ピットフォールの罠の下にアマミタカチホがもぐりこんでいたのだ。生態のよくわからない小型のヘビで、成長しても50㎝程度にしかならない。しかも見つかったのは幼蛇らしく、体長はたかだか15㎝ほど。とても細くてかわいらしいので、手づかみで獲り、写真撮影。

▲この写真はフラッシュなしだが、フラッシュを焚くとアマミタカチホらしく頭が真珠光沢を帯びる。