2016年 12月のフィールドノートから

12月6日 奄美市笠利町 某所

 知人に教えられて、とあるアカギの木を訪れる。数年前に爆発的に分布拡大したかと思ったら、その後急速に観なくなったラデンキンカメムシがいるというのだ。最初に教えてもらった11月21日に行ったときには終齢幼虫から脱皮したばかりの成虫集団が1枚のアカギの葉にびっしりとへばりついていた。ところがそれから半月経ったいまはほとんど姿がない。丹念に探しまわって、ようやく2頭だけ姿を確認することができた。他の虫たちはどこへ行ってしまったのだろう? 来年もまた発生してくれるのだろうか? なんとも謎めいた虫である。

▲アカギの葉にへばりつくラデンキンカメムシ。
▲近くにはサネカズラの実も。

12月18日 奄美市名瀬古見方

 今日は古見方で探鳥会。昨年はカタグロトビが、先月はオオハクチョウやヒシクイが飛来してくれて話題に事欠かない大川周辺だったが、12月とは思えないポカポカ陽気の中、懸命に探しても、見つかるのはシロハラにウグイス、アオジ、サシバといった冬鳥の常連たちばかりで珍しい鳥の姿はない。そんな中、びっくりしたのはオキナワチビアシナガバチが12月も後半だというのに巣作りをしていたこと。奄美のハチの生態は、まさまだ未知のことが多い。

▲年の瀬だというのに巣作りに余念のないオキナワチビアシナガバチ。
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