2022年 5月のフィールドノートから

5月22日 龍郷町長雲峠

 今年も日本鳥類保護連盟の皆さまと一緒に三太郎地区と伊津部勝地区でオーストンオオアカゲラにGPSロガーを着けて行動圏を追跡しているのだが、そんな折り、知人から別の場所での繁殖情報をもらった。襲えてもらった巣を探していると、ヒナたちの鳴き声が聞こえ、巣穴はすぐに見つかった。オスとメスが頻繁に餌を運んでくるばかりか、ときどき巣穴の奥にヒナの姿も見える。かなり大きくなっているようだ。ただ、運んでくる餌はあまり大きなものではない。巣立ちまであとどのくらいだろう? 数日後にまた来てみることにしよう。それにしてもオーストンオオアカゲラの遺伝的多様性はどうなっているのだろうか。それもまた気になるところだ。

▲餌を運んできたメス
▲餌を運んできたオス

5月31日 奄美市名瀬大熊漁港

 アジサシの季節到来。奄美市の奄美市のカツオ漁船の基地である大熊港の生け簀の小魚を狙って、アジサシ類がやってきた。一番多いのはベニアジサシで10羽、エリグロアジサシとクロハラアジサシが2羽ずつで、アジサシが1羽。昨日はハジロクロハラアジサシも1羽いたそうだが、今日は見当たらず。これに加えてクロサギが4羽(黒色型3羽、白色型1羽)が生け簀の魚を狙っている。漁師さんにとってははなはだ迷惑なことだろうが、近くからいろんなアジサシを観察できるのはありがたい。ベニアジサシとエリグロアジサシ、今年は繁殖してくれるだろうか?

▲小魚を捕まえたベニアジサシとそれにむかってなにかアピールをするクロハラアジサシ。この時期はベニアジサシの嘴は黒く、クロハラアジサシのほうが赤い。
▲エリグロアジサシと白色型のクロサギ。エリグロアジサシの胸も構造色で薄紅色に染まっている。
▲久々に観たただアジサシ。