2023年 1月のフィールドノートから

1月4日 奄美市名瀬大川下流域

 令和5年の鳥見はじめは古見方地区で。昨年12月から大川の下流域にセグロセキレイとヒシクイが来ているというので、観にいってみた。セグロセキレイは日本本土と韓国の一部で繁殖しているが、留鳥性が高いのか、南西諸島に渡って来ることはほとんどない。私もこれまで奄美大島では一度も観たことがなかった。現場は浅瀬となっている大川の川底。何羽か白黒ツートーンのセキレイが下りているが、どれもハクセキレイだ。と、明らかにハクセキレイとは異なるジャッジャッと濁った声が。おお、たしかにセグロセキレイではないか。ハクセキレイに交じって、川底で一心に食べ物を探していた。すっかり満足して帰ろうとし、ヒシクイのことをすっかり忘れていた。どこにいるのかわからず、ちょうど鳥を見ながら散歩されていた奄美野鳥の会の仲間の岩元さんに訊いてみると、すぐそこと指を差して教えてくれた。肉眼ではわからず双眼鏡を当てると、いたいた。頸が短く亜種ヒシクイのようだ。川岸付近で眠たそうに休憩していた。

▲川面を見つめるセグロセキレイ。
▲川岸でたたずむヒシクイ。

*番外編*1月11日 沖縄県国頭郡国頭村鏡地

 昨年の12月に続き、やんばるへ。目的はアマミヤマシギの捕獲。いまだに明らかになっていない冬季にやんばるで観察されるアマミヤマシギの繁殖地を突き止めるために、捕獲して、人工衛星で電波を捕捉できるGPSタグをつけようという目論見である。勝負は夜間なので、昼間の自由時間に宿の近くで鳥見。沖縄に来るとついつい双眼鏡を向けてしまうのが、シロガシラ。奄美では観ることがないので、聴き慣れない鳴き声に反応してしまうのだ。数羽が群れてセンダンの実をついばんでいた。ヒヨドリは植物食の傾向が強いが、シロガシラも同じなのだろうか。水を張った田んぼがあったので覗いてみると、カルガモ、オナガガモ、コガモの群れにマガンが1羽交じっていた。この冬、奄美はガン類の渡来が多いが、沖縄も同じなのだろうか。パークゴルフ場ではウグイスが数羽、ブッシュから芝生に出て、餌を探していた。羽衣が全体的に赤茶色っぽいので、北方から渡ってきた越冬ウグイスではなく、ここで繁殖しているウグイスではないかと思ったのだが、どうだろう?

▲倒立姿勢でセンダンの実をついばむシロガシラ。
▲こちらの気配に気づいて警戒するマガン。
▲全体的に赤茶色っぽく見えるウグイス。
タイトルとURLをコピーしました