2009年オオトラツグミ一斉調査 結果報告

 遅ればせながら16回目のオオトラツグミ一斉調査結果を掲載しました。延べボランティア調査員の数は359名に及びました。
 過去最高記録です。ありがとうございました。

オオトラツグミ一斉調査にご協力いただき、有難うございました。

一斉調査実施日:2009年3月20日(金)・21日(土)・22日(日)・23日(月)

 私たち奄美野鳥の会では、奄美の森に生息する貴重なオオトラツグミの繁殖個体数の増減を把握しておくために、1994年からこの鳥が一斉にさえずり始める毎年3月に奄美大島で一斉調査を行っています。

 2009年は3月20日(金)・21日(土)・23日(月)に定点調査(湯湾岳・金川岳・役勝など)、22日(日)に一斉調査(奄美中央林道全域・スタルマタ村道、油井岳など)を実施し、残りの地域につきましては、4月中旬までに奄美野鳥の会の会員で順次追加調査を行いました。

 その結果、22日の一斉調査の141名をはじめとして、4月中旬までの調査全体での延べボランティア調査員数は359名となり、これまででもっとも多くの方々にご協力をいただいたことになります。さえずり個体の総計も276羽と、過去最高を記録しました。

 またこれまでと同じように今年も奄美野生生物保護センターと鹿児島森林管理署にはご協賛を、鹿児島県大島支庁林務水産課・奄美市・龍郷町・大和村・瀬戸内町にはご後援を、奄美博物館と瀬戸内町郷土館には調査員説明会の会場のご提供を、奄美マングースバスターズには調査車両のご提供をいただきました。調査に参加さ れたみなさん、ご支援をいただきました諸団体や個人の方々に対し、改めて心から感謝致します。ありがとうございました。

特定非営利活動法人 奄美野鳥の会 副会長 高 美喜男

●2009年オオトラツグミさえずり調査結果
調査日調査地調査地点調査員確認羽数前年確認羽数
3/20(金)安念勝林道2412
金久田川2222
和瀬2454
小湊安木屋場線7101812
湯湾岳55911
朝戸2653
伊須115(実施せず)
嘉鉄123(実施せず)
蘇刈122(実施せず)
清水4922
3/21(土)金川岳9161212
役勝(国道59号)66118
川内川4597
三太郎峠東仲間・見里4833
3/22(日)奄美中央林道40895147
スタルマタ村道616910
三太郎峠西仲間・石原2503
住用ダム線71178
油井岳512414
高知山東132(昨年は油井岳に含む)
地蔵峠2525
3/23(月)福地川6814
山間川2212
戸玉川2233
丸畑線5671
3/24(火)根瀬部林道2313
3/26(木)勝浦2447
3/27(金)知名瀬林道2321
3/28(土)網野子・節子3847
湯湾岳(今里側)4672
大良川(上流)1131
3/29(日)フォレストポリス周辺2223
マテリア線2213
湯湾釜線1110
津名久清川線1111
大和村役場前1100
思勝林道1120
三田川1100
大和川1100
大棚川2310
大棚林道111(実施せず)
大名線11171013
3/30(月)神屋国有林221(実施せず)
4/04(土)役勝川上流2314
赤房線6867
4/05(日)篠川福元線441(実施せず)
篠川1111
小川岳東側3452
戸円2242
志戸勘線1120
湯湾岳線(名音側)2241
名音川113(実施せず)
4/07(火)西田113(実施せず)
4/09(木)芦検集落111(実施せず)
4/10(金)枝手久島331*0
4/11(土)戸口林道5631
田検川2220
4/12(日)円川1100
長雲峠一帯3300
秋名川1100
本茶安木屋場線440(実施せず)
市道倍俣線110(実施せず)
4/15(水)大川ダム111(実施せず)
4/16(木)宇検村湯湾・石良225(実施せず)
三儀山110(実施せず)
4/19(日)瀬戸内中央林道6614(実施せず)
4/22(水)湯湾岳北側111(実施せず)
4/23(木)宇検村宇検112(実施せず)
合 計68地域225地点359人276227羽
(53地域・187地点・301人)
*枝手久島の1羽は島内ではなく、対岸の宇検集落からの記録。
オオトラツグミのさえずり個体のセンサス結果の推移
奄美中央林道その他合 計
199024羽1羽25羽
199440羽14羽54羽
199518羽14羽32羽
199618羽11羽29羽
199727羽14羽41羽
199821羽17羽38羽
199944羽28羽72羽
200025羽36羽61羽
200140羽34羽74羽
200240羽37羽77羽
200343羽61羽104羽
200442羽84羽126羽
200568羽103羽171羽
200647羽118羽165羽
200778羽171羽249羽
200847羽180羽227羽
200951羽225羽276羽
*「その他」の観察は、1990年と1996年は任意観察のみであるが、1994年と1995年、および1997年以降は定点観察も行なった。1994年、1995年、1997年以降に比べて、1996年の観察地点はかなり少なく、見落としが多い。
(1990-1995は、石田ほか1995から抜粋)
 1998年以前は奄美中央林道の里・金作原地区と神屋地区のみの調査であったが、1999年以降は奄美中央林道全域を調査した。
 その他の場所は年々観察地点が増えているため、個体数が増えている。

*表は、Strix vol.15.1997.『オオトラツグミのさえずり個体のセンサス結果(1996年春)奄美野鳥の会』に1997年以降の調査結果を加えて作成。

 今回はこれまでの調査で最も多い延調査員総数359名で、オオトラツグミが生息している可能性のある奄美大島のほぼ全域を調査することができました。オオトラツグミのさえずり個体数の集計総数は276羽でした。