2024年 7月のフィールドノートから

*7月14日~17日 徳之島&与論島

 今年は3年に一度の海鳥モニ1000の実施年なので、アジサシの繁殖実績のある徳之島と与論島へ調査に行ってきた。徳之島は過去に数か所でコアジサシの繁殖が確認されていたが、今年は一か所のみで幼鳥を確認できた。調査したのが日曜と祝日(海の日)の連休だったこともあり、徳之島のビーチはどこも地元民が海遊びをしていた。もしこんな調子でいつも海岸が賑わっているのであれば、砂浜で繁殖するコアジサシにとっては、ちょっと条件が厳しいかもしれない。幸い今回確認できた繁殖地は容易に人が近づける環境ではないので、この場所だけはずっと守られるとよいのだが。朝早く電灯を見て回ると、トクノシマノコギリクガタのオス5頭とメス1頭を観ることができた。

コアジサシの成鳥と幼鳥。この大きさになれば幼鳥も飛べるので、とりあえずは繁殖成功といえるだろう。
某所で見かけたトクノシマノコギリクワガタのオス。黒光りしていてカッコいい。

 与論島は3年前まで多数のベニアジサシと数羽のマミジロアジサシが確認され、おそらく繁殖しているのではないかと予想されたが、残念ながら今年はその両種を目撃することはできなかった。かわりに二か所で抱卵中のエリグロアジサシを発見。まだ卵の段階であれば先は長いが、なんとか子孫を残してほしい。こちらも朝散歩をしていると、宿の近くでなんと車に轢かれたヤシガニの死体を見つけた。与論島ってヤシガニがいるんだ! 最初からわかっていたら、前夜飲んだくれずに一生懸命探したのに……。

卵を抱くエリグロアジサシ。
ロードキルに遭ったヤシガニ。生きているところを観たかった。
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