2018年 10月のフィールドノートから

10月21日 加計呂麻島諸鈍探鳥会

 今日は2年ぶりの諸鈍探鳥会。フェリーで加計呂麻島に渡り、生間港から諸鈍集落まで歩く。道沿いのヒカンザクラの中に一本だけ、ぽつりぽつりと狂い咲きしている木があった。奄美全域に大きな被害をもたらした台風24号は加計呂麻島の外洋に面した側にも大きな傷跡を残したようで、集合場所の諸鈍長浜公園の光景が一変していて驚いた。海岸から大量の砂が打ちあがり、ほとんどの木が倒れているのだ。諸鈍名物のデイゴ並木も砂まみれで悲惨な状態に。

 いつものように農耕地を歩く。年々水田が減り、乾燥した草地になっているのが寂しいが、それでも鳥はエゾビタキにジョウビタキ、マミジロタヒバリ、モズなど、まずまずいるのでほっとする。空を見上げると数羽のサシバが舞っていた。これからまだ南へと渡っていくのだろうか。そう思っていると、近くの林に1羽が降りた。フィールドスコープをのぞいてびっくり。なんと、そのサシバ、暗色型だったのだ。止まっていると全身暗褐色に見える暗色型は精悍でかっこいい。

▲まだ10月というのにヒカンザクラが狂い咲き。
▲鋭い眼光のサシバの暗色型。