*9月16日 北海道黒岳5合目
今年の日本鳥学会の大会は札幌の北海学園大学と北海道大学で行われた。それに参加して奄美大島で越冬するサシバの渡りについて口頭発表した後、せっかくなので大雪山の層雲峡まで足を延ばした。旭岳やトムラウシには社会人時代や奄美に移住してからも来たことがあるが、層雲峡は大学2年の夏に初めて北海道を一人旅で訪れて以来だから、実に45年ぶりの再訪と相成った。黒岳山頂まで登って、憧れのギンザンマシコに逢いたいなと考えたのだが、なんと強風のためにロープウェイもリフトも運休とのこと。そんなことなら旭岳のほうへ回るんだったと思っても後の祭り。しかたなく層雲峡の景観と石狩川の急流で遊ぶカワガラスなどを観察していたら、なんとかロープウェイだけは運航できそうとのこと。ロープウェイで登れるのは5合目までで、それだと山頂まで登る時間はないのだが、ここまで来たら行かなきゃ損。ということで、その日始発となった9時のロープウェイで5合目まで行ったなるほど風が強く、結構肌寒い。見上げる黒岳はもう紅葉が始まっていた。さすが北海道だ。エゾオヤマノリンドウが咲く高地を元気に飛び回っているトンボがいる。アキアカネのようだ。エゾサンショウウオが生息するという水場には小さめのヤンマがテリトリーを張っていた。こちらはおそらくイイジマルリボシヤンマ。水場近くの小屋の壁ではヒメヤママユが交尾をしていた。本州以南では秋も深まってから出現するガだが、さすが北海道では活動開始時期も早いようだ。残念ながら鳥の姿は少なく、ギンザンマシコはまたしてもおあずけに。



