2020年 1月のフィールドノートから

1月6日 大和村フォレストポリス

 湯湾岳にコゴメキノエランを観にいった帰りにフォレストポリスに立ち寄る。グラウンドにはツグミとビンズイが仲良く地面を歩きながら餌を探していた。水辺の広場に移動。鳥影は薄く、目につくのはシロハラくらいである。頭上の木の枝からヒヨドリの声。見上げると、胸が赤褐色味を帯びていない、本土産のヒヨドリである。心なしか、亜種アマミヒヨドリよりも優しい声に聞こえる。

▲シロハラの幼鳥。顔がかなり黒いのでオスだろうか。
▲色白の内地から冬鳥として渡ってきたヒヨドリ。

1月22日 奄美市笠利町大瀬海岸など

 実家の福岡から奄美へ帰ってきた。8時15分に奄美空港に到着すると、気持ちの良い青空。そのまま家に向かうのはもったいないので、宇宿の農耕地と大瀬海岸を探索して帰ることに。とはいえ、今回はフィールドスコープも10倍の双眼鏡も持っていないので、コンデジ中心のバードウォッチング。農耕地では相変わらず、ツグミが多い。ここまで多い年はあまり記憶がない。密度が高すぎるのか、争っている個体もいる。シロハラではよく目にする光景だが、ツグミではこれまで見た記憶がない。サシバの姿も多い。枝先や電線から獲物を探し、見つけたらすっと飛んでいく。飛び立つ瞬間を撮影したいと思うのだが、ワタシの実力ではなかなか難しい。

 大瀬海岸にヘラシギ1羽とクロツラヘラサギ3羽が入っているという情報を得ていたのでのぞいてみると、全部で5羽のヘラサギ類が嘴を背中に突っ込んで休憩していた。なんだ、1羽多いじゃないか。なかなか首をのばさないので、種が確定しづらいが、一番大きな個体のみがヘラサギで、あとの4羽はクロツラヘラサギという結論を下した。

▲ツグミのけんか。鳥の争いは足で応酬するのが基本。
▲飛び立ったサシバの成鳥。ピントがなかなか合わない。
▲真ん中の大きな個体がヘラサギで、残りの4羽はクロツラヘラサギだと思う。

1月25日 奄美市住用町摺勝

 内海にカワアイサが入ったという情報を得て観にきたが、残念ながら空振り。仕方なく、摺勝の農耕地を回って鳥を探す。なんの植物だろう。農地の生垣のような植栽に花が咲いており、メジロがたくさん集まっている。リュウキュウメジロが多いようだが、中には本土産のメジロの姿もある。ひっきりなしにメジロがやってくるちうことは、この花の蜜はかなり甘いのだろう。農耕地にはサシバが多い。例年よりも渡来数が多い気がするなあとぼんやり考えながら車を走らせていると、前の電柱にからまた1羽飛び立った。いや待てよ、サシバよりも大きくないか、と双眼鏡でのぞく。幸いその個体はすぐ隣の電柱に止まってくれた。ノスリである。ノスリも毎冬少数が渡ってきているが、今季は初確認だった。

▲留鳥の亜種リュウキュウメジロ
▲本土産の亜種メジロ。
▲飛び立つ寸前のノスリ。