2020年 2月のフィールドノートから

2月9日 宇検村湯湾

 ずっと暖冬だったのに、今日の探鳥会を前にして急に寒波が下りてきた。日本中寒いようだが、奄美も寒い。北風が吹く中、探鳥会開始。ヒカンザクラはもう終わり際だが、遅く咲いた花にはメジロが群れている。ざっと見たところ、亜種リュウキュウメジロと亜種メジロがほぼ半々くらいか。ヒヨドリも混じっているが、こちらは本土産の色白の亜種ばかり。グラウンドにはシロハラにツグミにハクセキレイ、河内川にはササゴイ、ダイサギ、コサギ、バン、焼内湾沿いの池にはキンクロハジロ、カルガモ、カワウ、カイツブリ、オオバン。珍しい鳥はいないが、安定した顔ぶれ。探鳥会終了後、水路の脇の草地で一心不乱に採餌しているタシギを発見。近づいても逃げないので、至近距離から激写。

▲ヒカンザクラの蜜を吸う亜種リュウキュウメジロ。
▲こちらは亜種メジロ。
▲本土産のヒヨドリもヒカンザクラの蜜を目当てにやってきた。
▲こちらを警戒しながらも逃げようとしないタシギ。

*番外編*2月24日 千葉県北印旛沼

 印旛沼に数百羽単位のトモエガモが入っていると聞きつけ、やってきた。といっても、広大な湖のどこがポイントなのか、行ったことがないのでさっぱりわからない。とりあえず成田線の下総松崎駅で降りて、北印旛沼を目指す。湖の近くまでは行けるが、立ち入り禁止となっており、湖畔の堤防へは上がれない。仕方ないので、甚兵衛大橋のほうへ向かうと、途中の北須賀干拓というところでようやく湖畔に出ることができた。幸いなことに順光で、比較的近い場所にカモの群れがある。双眼鏡で覗いてみると、近くにいるのはオナガガモやヒドリガモだが、その向こうの群れはほぼすべてトモエガモである。その数、ざっと500羽というところだろうか。これほどの数のトモエガモに出会ったことがないので、頬がゆるむ。トモエガモを堪能した後は、八代干拓、松崎干拓、大竹干拓と歩いてコチョウゲンボウを探したが、こちらはそう簡単に見つからない。猛禽といえば、ピーヒョロロと鳴きながら旋回しているトビ以外は、チュウヒが1羽出ただけ。それでも暖かい日差しを浴びながら、のんびりと鳥見ができて楽しかった。

▲湖面に浮かぶトモエガモの群れ。この写真のなかだけで50羽近くが確認できる。
▲奄美では珍しいホオジロも、ここでは普通。