2006年 10月のフィールドノートから

10月05日(木) 奄美市大瀬海岸

 このページも開設より丸6年が経ち、7年目に入る。意外と長く続いたなと正直に驚く。今後もしばらくは不定期に更新していくつもりなので、読者の皆さまにはなにとぞ末永くお付き合いいただければ幸いです。

 7日に龍郷町の小学生約50名を集めて、野鳥の観察会を行うのでその下見に大瀬海岸に行く。台風の影響でうねりが入っており、沖合いには白波が立っている。あまり鳥の数も多くなく、本番もこの調子だとちょっとつらいな、と思う。チュウシャクシギが1羽と何羽かアオサギがいるので、それらをスコープでのぞかせて、鳥の嘴の違いを勉強してもらおうか、などと頭の中でプランを練りつつ、アオサギにレンズを向ける。あらま、1羽はアオサギではなくムラサキサギではありませんか。春秋の渡りのときに少数が通過するが、海の中にいるのははじめて観た。少し得した気分。

▲荒れた海で餌を探すムラサキサギなのであった。

10月08日(日) 奄美市某所

 秋名探鳥会からの帰り道、道端のセンダングサに混じって可憐に咲くダイサギソウに目がいく。サギソウは白い花びらを白鷺の飛ぶ姿にたとえたネーミングであるが、サギにしては首が短いなどと考えるのは無粋だろうか。なにげにこのような野生蘭が見られる幸せ。

▲ダイサギに似た「大鷺-草」ではなく、サギソウの大きなヴァーションで「大-鷺草」。

10月19日(木) 龍郷町自然観察の森

 自然観察の森にガラスヒヴァがいた。まだ幼蛇のようで、ただでさえ細い体が針金のように細い。近づいてみると、人に恐れをなしたのか、固まってしまった。目がうるうるとしていて愛らしい。このヘビはカエルが好物であるが、このサイズの幼蛇だとヒメアマガエルくらいしか食べられないのではないだろうか。オタマジャクシなども食べるのだろうか。

 池の別のエリアには、昼なのに珍しくオットンガエルの成体が顔を覗かせていた。こちらはさながら二日酔いの親父のごとく、目が充血しく、不機嫌そうである。先のガラスヒヴァはいくらカエル好きといっても、こちらへは近づかないほうがよかろう。返り討ちに遭い、ひと飲みにされるのがオチ。悪食のオットンガエルはハブの幼蛇ですら食べてしまうのだから。

▲まだあどけない顔つきのガラスヒヴァ。
▲対するこちらは百戦錬磨の感あるオットンガエル。
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