2010年 8月のフィールドノートから

8月21日 奄美市某林道

 本土に住む人にとってあこがれの鳥のひとつであるアカショウビンは、南西諸島では案外普通に観ることができる。亜種がちょっと違ってリュウキュウアカショウビン。鳴き声が舌足らずであるが、全身真っ赤のカワセミには違いない。奄美には夏鳥として飛来するリュウキュウアカショウビンは海岸から山の仲間でどこにでもいて、島民から「くっかる」の名で親しまれている。林縁に建つ我が家では、毎朝「キョロロロ」というリュウキュウアカショウビンの鳴き声が目覚まし代わりになるくらい普通の鳥なのだ。ところがこのリュウキュウアカショウビン、姿をじっくり観ようと思うとそれなりのコツが必要である。一番簡単なのは、夜の林道をライトで照らしながら走ること。タイミングにもよるが、この方法だと電線や木の枝先で寝ているアカショウビンをひと晩で数羽観ることができる。アカショウビンは光に敏感な鳥で、光を当てるとすぐに目をさます。さらに光を当て続けていると、しばらくきょろきょろしたあと、飛び去ってしまうケースが多い。ゆっくり観察したいのはやまやまだが、彼らの安眠をあまり妨害するのは考えものである。

▲電線で寝ていたリュウキュウアカショウビン。夜だと背中の紫色がより強調される。
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