12月14日 奄美市名瀬赤崎公園
12月は毎年名瀬近郊で探鳥会を実施している。なるべく多くの市民の方に身近な自然を知ってもらいたいという気持ちからだ。これまで名瀬の中心を流れる新川や名瀬の神山であるおがみ山などでやってきたが、今年は趣向を変えて赤崎公園でやってみた。この冬は冬鳥が多いようで、赤崎公園でもシロハラやツグミ、ジョウビタキなどの姿が多く見られ、ノゴマやウグイスの声もよく聞こえてくる。これにルリカケス、オーストンオオアカゲラ、アマミヤマガラなどの留鳥が加わり、なかなかに賑やかである。メジロも留鳥のリュキュウメジロと冬鳥の本土産メジロが混在している。結局2時間で20種以上の野鳥を観察することができた。
歩道わきにあったクチナシに目をやると、高いところの実には食痕があり、崩れている。メジロのせいだろうか。低いところの実には丸い穴が空いているのが多い。こちらはイワカワシジミのせいだ。試しにひとつ実を割ってみると、案の定小さな幼虫が出てきた。もしかしたら鳥は、実というよりもこの幼虫を狙っているのだろうか。おそらくは両方なのだろう。
12月17日 奄美市住用町八津野
この時期、奄美の森ではカラスバトの声をよく耳にする。国有林の巡視を行っていると、林道脇のコシダに覆われた切り立った法面から突然1羽のカラスバトが飛び出した。おやっ、と思ってコシダを掻きわけてみると、案の定、巣があり、長径5センチほどの卵が産みつけられていた。カラスバトの巣を実際に見るのは初めてで、テンションがあがる。カラスバトの繁殖生態についてはいまもあまりわかっていないが、奄美ではこれまでに見つかった巣はほとんど地上にあった。こんな急斜面に営巣するのは、マングースやイノシシなどの捕食を避けるためだろうか。