2021年 1月のフィールドノートから

1月13日 大和村湯湾岳&フォレストポリス

 2021年になって初めての晴天。よって、初めての鳥見に出かける。最初に向かったのは湯湾岳。夜が明けたばかりの村道にアカヒゲが現れた。メスだ。車を停めて観察していると、物怖じもせずにどんどん近づいてくる。なかなかカメラのピントを合わせられないうちに飛び去ってしまった。大和村側の登山口から登る。この時期、湯湾岳の山頂付近にはセンリョウ、マンリョウ、リュウキュウミヤマシキミなど、赤い実が多い。コゴメキノエランが咲いていないか探していると、ヤマガラとシジュウカラの混群に取り囲まれた。鳴いているのはヤマガラばかりだが、構成員はシジュウカラのほうが多い。地面から大きな羽音を立てて飛びあがったのはカラスバト。飛び去らずに樹上で待機しているので、もしかしたら地面に巣でもあるかと思ったが、空振りだった。食物を食べていたのだろう。

▲亜種アマミシジュウカラのメス。
▲木の葉の間からカラスバトを望む。

 続いてフォレストポリスへ。この冬はシロハラが多い。マングースがたくさん生息していた頃には冬場の重要な食物だったようだが、その敵も数が極端に減って、シロハラにとっては越冬にもってこいの環境になったのではないだろうか。カラスザンショウの実を食べているのはサンショウクイならぬメジロ。カラスザンショウノの実はサンショウとは違って、舌が痺れないのだろうか。グラウンドのフェンスにはジョウビタキのメス。オスに比べると地味だが、腰から上尾筒にかけては鮮やかな橙褐色である。

▲シロハラのオス成鳥。
▲カラスザンショウの実を食べる亜種リュウキュウメジロ。
▲ジョウビタキのメス。

1月22日 奄美市名瀬古見方

 大川にサンカノゴイが出たという情報を得て、探しにやってきた。天気は小雨だが、気温は高い。風もなくて、野鳥は活発に動いている。さて、サンカノゴイは出てきてくれるか? 土手を車で流しながら、葦の茂った中州を丹念に探す。しかし、茶色の大きなサギは見当たらない。地面に小鳥が数羽降りている。アトリだ。草の実をさかんについばんでいる。さらに車を進ませると、オオバンの陰に隠れるようにカイツブリが浮かんでいた。さらに行くと、イソシギやカルガモ、カワウの姿はあったが、肝心要のサンカノゴイは見当たらない。というか、サギ類がなにひとつとしていない。出直すしかなさそうだ。

▲アトリのオスが草の実をついばんでいる。
▲冬羽のカイツブリ。
▲さかんに尾を振るイソシギ。
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