*番外編*10月1日~2日 大分県大船山
秋風に誘われるように九重連山にやってきた。目指すは九州本土第3位の高峰大船山。長者原を7時過ぎに出発し、雨が池越えルートで坊がつるに出る。そこからが本格的な大船山登山。登りはつらいがそれでも一歩一歩進めば確実に頂上にたどり着く。天気もよく山頂からの眺めは素晴らしいが、紅葉にはまだ早かった。しばし休憩してさっそく下山。登るのよりもつらいのが下り。歳を重ねるごとに膝がしんどくなる。転ばないように慎重を期しながら、ゆっくりと歩を進める。途中でミソサザイが何度か姿を見せたが、写真に収めることはことはかなわなかった。と、ナナカマドの木に小鳥が止まった。コガラだ。何年ぶりの対面だろう。ナナカマドが色づいてくれていたら最高だったのに。坊がつるまで下り、本日は九州で一番標高の高いところにある温泉、法華院山荘に泊まる。山荘に向かう途中で、トンボを発見。ミヤマアカネのオスのようだ。早めにチェックインをし、温泉&ビール。登山の疲れが一気に吹っ飛ぶ。極楽極楽。
翌朝は山荘を6時30分に出発し、霧に沈む坊がつるを経て、前日に来た道を戻る。まだ誰も歩いていない山道では起き出したホオアカが食事中。途中、雨が池では朝露に濡れるヤマラッキョウの花を堪能。クロツグミの姿などを確認しながら、9時前に長者原に到着。駐車場の周りではエゾビタキの群れが飛び交っていた。これから南西諸島を通って南下するのだろうか。奄美にも立ち寄るのかと想像すると、感慨深い。
10月13日 徳之島井ノ川付近
クラウドファンディングで集まった資金を元に、アマミヤマシギ調査。捕獲してGPS発信機を装着し、移動を調べる。それほどたくさん林道に出ておらず、苦労する。その途中、とある林道を通っていると、同行者のK氏が突然、「オビトカゲモドキがいる!」と声をあげた。車が停まるのももどかしげにドアを開けて飛び出すK氏。慌てて駆け寄ると、たしかにオビトカゲモドキの姿があるではないか。徳之島には何度通ったかわからないほどだが、これまでこの徳之島固有の爬虫類には出逢う機会がなかった。それがついにご対面である。想像以上に小さいが、想像以上に美しい。そして恐竜っぽい! ヤモリに近い仲間にもかかわらず足指は吸盤状になっておらず、爪を地面に突き立てているのがかわいい。発生末期に近いので仕方ないが、尾がちぎれていたのが残念だった。
10月27日 大和村フォレストポリス
フォレストポリスの水辺の広場にマガンが来ていると聞き、さっそく確認にいってみる。ガンは大きいので、いれば見逃すことはない。さっそく発見。トンボの池でオオバンと一緒に泳いでいる。近くで重機を入れて池の整備をしているにもかかわらず、気にすることもなく悠然と餌をついばんでいる。道路沿いにはツバキに似たチャノキの花が咲いている。そうかこの時期に花が咲くのかと納得。芳香がよく、スズメガやハチが集まっている中に、ひときわ大きなヒメスズメバチを発見。奄美にもいるとは聞いていたが、観るのは初めてである。スズメバチの中では正確は温和というが、大きいだけに威圧感は半端じゃない。グラウンドのほうへ回ると、小鳥がちらほら。ハクセキレイ、キセキレイに交じって、アトリがエサを探している。植木にはエゾビタキの姿が。今月初めに九重高原で見たエゾビタキではないかと妄想が膨らむ。