2018年 1月のフィールドノートから

1月10日 奄美市笠利町宇宿漁港・大瀬海岸

 2018年、年明け早々の喜界島でのモズ調査は連日の強風で思うように観察ができず、なんとなくフラストレーションをためこんで奄美大島へ戻ってきた。喜界空港から奄美空港までの飛行時間はわずかに10分弱。あっという間の空の旅だ。奄美空港に着いたその足で宇宿漁港を訪れる。空き地に4羽のタヒバリの姿が見える。冬場の常連のムネアカタヒバリだろうと思って双眼鏡をのぞくが、どうもようすが違う。マミジロタヒバリ?……にしては小さいし、嘴も太く見えない。コマミジロタヒバリではないだろうか。隣の個体ものぞいてみたが、同じくコマミジロっぽい。その隣の個体も。いつの間にか4羽目はいなくなっていたが、コマミジロタヒバリが3羽も同時にいたのは見たことがない。これは春から縁起がいいかも。

 縁起がいいといえば、今年の元日の大瀬海岸での初日の出探鳥会でなんとハイイロガンが出たのである。まだいるかどうか確かめるために大瀬海岸に回ってみる。干潮で広く干潟が現れている観察にはあまりよろしくない条件の中、双眼鏡でざっと眺めてもそれらしい姿はない。帰ってしまったかなと残念に思っていると、意外にも手前の砂地にのそのそと歩く大きな鳥の姿が! 人が来るとは思っていなかったのか、ハイイロガンは存外近い場所で休息していたようだ。ピンク色の嘴と脚がよく目立つ巨体の鳥は、大儀そうに水のある場所まで歩いていった。

▲秋tらかにマミジロタヒバリよりは小ぶりで、コマミジロタヒバリと思われる。
▲大きな体をゆさゆさと運ぶハイイロガン。