2023年 2月のフィールドノートから

2月5日 奄美市住用町内海

 宇検村湯湾集落での探鳥会の帰り、内海にヨシガモが入っていると聞いて、寄ってみた。生憎逆光気味で海面に浮いている鳥はすべて黒っぽく見える。しかも大半はオオバンなので、黒さが際立っている。オオバンの群れの向こうの遠いところに、真っ黒ではないカモを2羽発見。ヨシガモのペアかと思ったが、よく観察するとヨシガモのオスとオカヨシガモのオスだった。オカヨシガモもヨシガモも胸部の細かいさざ波模様が美しい。ナポレオンの帽子に例えられることの多いヨシガモのオスの頭部は、順光で見ると金属光沢のある緑色だが、光線の角度が悪いとおおむね茶色に見える。構造色の仕業。

▲羽繕いをするオカヨシガモのオス。
▲頭部が茶色になってしまったヨシガモのオス。

2月19日 奄美市名瀬大川下流域

 実に久しぶりに大川河口の農耕地で冬鳥調査のバンディング。捕まるのは、シロハラ、ウグイス、アオジ、ノゴマなどの越冬鳥がほとんど。ウグイスの中に1羽、ひと際大きく赤茶色の個体が交じっていた。亜種チョウセンウグイスだ。11月にも望楼台で捕まえたが、ある程度の数が越冬しているようだ。小さく黄色い鳥が捕まったので、メジロかと思うと、マヒワのオスだった。それほど珍しくない冬鳥だが、捕まえてじっくり見るのは初めて。小さくてかわいらしい。

▲亜種チョウセンウグイスのオス。

▲マヒワのオス。
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