2014年 7月のフィールドノートから

7月7日 奄美市朝仁

 ワニグチモダマの花期は1月ということになっているが、朝仁海岸に自生する株は6月に花をつける。7月に入ったのでさすがにもう終わったかと思いながら行ってみると、最後の花がしぶとく咲いていた。名前のとおりワニグチクリップを思わせる花の形が特徴的だ。花の付け根にはカメムシが集まっていた。マメ科植物につくツヤマルカメムシのようだ。ワニグチモダマもツヤマルカメムシも本来は八重山辺りに多い南方系の生き物。どちらのほうが先に奄美大島に行きついたのか、興味深いところ。

▲ワニグチモダマの花に集まるツヤマルカメムシ。5齢幼虫もいる。

7月29日 瀬戸内町加計呂麻島

 加計呂麻島をぐるっと一周してノヤギの調査。一時期に比べると減ったと言われるノヤギだが、加計呂麻島の東海岸や南海岸の断崖にはまだかなりの数が野生化したまま棲みついている。食害で赤土が露出している崖もあり、このまま放置しておけば環境破壊が心配だ。小さな島のノヤギほど早めに駆除したいもの。数年前までこの時期のこの海域であればアジサシがわんさかいたはずなのに、ここ数年非常に少ない。今日はかろうじてエリグロアジサシを2羽確認したのみ。アジサシのいない夏の海はちょっとさびしい。

▲海岸におりてきたノヤギの群れ。
▲ようやく見つけたエリグロアジサシ。