2015年 9月のフィールドノートから

9月12日 奄美市笠利町笠利崎

 数日前からアカハラダカの渡りがはじまった。今年はこの時期、奄美から九州にかけて台風がなく晴天が続いているせいか、例年より早いようだ。アカハラダカが渡ると、他の鳥たちも渡りはじめる。秋の渡りを調べるために笠利崎で11日よりバンディング調査を行っている。しかし、奄美ではまだ渡りは本格化していないのか、捕まるのは、(リュウキュウ)メジロ、(アマミ)シジュウカラ、(アマミ)コゲラ、(リュウキュウ)キジバト、リュウキュウコノハズクなど、留鳥がほとんどで、確実に渡り鳥なのはセンダイムシクイの1羽のみ。まだ調査には向かないかなと、夕刻かすみ網を見回っていると、なにやら大きめの鳥が2羽かかっている。なんと、アカハラダカではないか。北から渡って、いま到着したところなのだろうか。初めて至近距離で見るメスの成鳥の美しいこと。ハイタカ属の中では異例ともいえる美しさだね。

▲アカハラダカのメス成鳥。腹というより胸が赤褐色。
▲アカハラダカの幼鳥。ツミのメスに似ているが、黄色いアイリングがない。