2018年 7月のフィールドノートから

7月23日 奄美市笠利町須野

 年々アジサシ類の渡来数が減っているような気がする。奄美大島ではコアジサシの繁殖はここ数年確認されていないし、ベニアジサシの繁殖地も消失した。エリグロアジサシだけは少数が繁殖していたが、例年繁殖している場所で今年は見かけない。絶望的な気持ちになって海岸線を走っていると、とある岩礁の周りをアジサシが飛び回っているのを見つけた。近づいてみるとベニアジサシが十数羽に、エリグロアジサシが十羽ほど。両種とも抱卵姿勢をとっている個体もいる。小規模ながらようやく繁殖地が見つかった。もしかしたら、奄美大島では今年はここだけしかやっていないかもしれない。これから台風シーズンで心配だが、なんとか成鳥になるまで無事に育ってほしい。

▲岩礁の上で警戒するベニアジサシ。
▲近くの岩の上でようすをうかがうエリグロアジサシ。
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