2018年 12月のフィールドノートから

*番外編*12月4日 東京都多磨霊園

 東京に住んでいた頃、身近なフィールドとして、冬場はよく多磨霊園に行っていた。上京中で差し迫った予定もなく、天気もよかったので久々に多磨霊園で鳥見。敷地に入ってすぐ、大きな緑路の鳥が飛びまわっているのが目に入る。先日インドで見てきたばかりのワカケホンセイインコではないか。東京近辺で増えているとは耳にしていたが、多磨霊園にも進出していたのか。特有のだみ声はオナガのもの。なぜか植わっているシュロの木の周辺を6、7羽の群れでさかんに飛びまわっていた。小鳥の群れが近くの落葉樹の枝先に飛来。アトリだ。奄美でも冬鳥としてよく見かけるが、葉の落ちた木は観察しやすくていいね。別の木にはシメの姿も。こちらは奄美では見かけることが少ないので、嬉しかった。紅葉の残る広い霊園を、著名人のお墓を探しながらぶらぶら歩く。都下なのに平日とあって人もまばら。いい気分のお散歩でした。

▲奄美にはいないので、オナガも姿を見ると嬉しい。
▲落葉樹に止まったアトリ。
▲同じくシメ。。

12月19日 油井岳

 油井岳に行くたびに観察に行く防空壕がある。オリイコキクガシラコウモリが集団を作っているので、それが目当てなのだ。前回訪れたときには小さなハブがいてゾッとしたので、慎重に入ってみる。いつもの場所にオリイコキクガシラコウモリがぶらさがっていた。100頭以上が密集している。少し離れたところに、見慣れない黒っぽいコウモリがいた。どうやらモモジロコウモリのようだ。本種は多種のコウモリの集団の中に交じっていることがあるそうだが、今日は集団とは離れて単独で休息中。オリイコキクガシラコウモリのように天井にぶらさがるのではなく、岩のくぼみにしがみついていた。

▲単独で休んでいるモモジロコウモリ。