2018年 11月のフィールドノートから

11月1日 奄美市笠利町宇宿漁港

 大阪からの帰り、奄美空港から宇宿の漁港に寄った。埋立地にそろそろムネアカタヒバリが来ているのではないかと思ったのだが、いたのはマミジロタヒバリが8羽ほど。車で近づきすぎると逃げるが、じっと待っていると向こうから近づいてくる。嘴の形や中雨覆の模様、爪の長さなどしばらくじっくり観察した。

▲長い爪が見える。
▲嘴は太くて長い。

11月3日 奄美市笠利町大瀬海岸&宇宿農村公園

 11月3日は奄美野鳥の会の創立記念日。今年は節目の30回目の創立記念日ということで、宇宿集落の方々と協力して、大瀬海岸と隣接する宇宿農村公園でイベントを開いた。心配されたのは雨。11月3日は晴れの特異日だというのに、今年に限って天気予報は終日雨。雨の場合は宇宿集落の公民館で開催する代案も用意していたが、できたら野外でやりたい。セッティングのために8時に現地入りすると、雨は降っているけれど、濡れるほどでもない小雨。これならば野外で決行しようと集落の方々と一緒にテントを建てて、準備を始める。

 まず10時からは集落の方々にも参加していただき、大瀬海岸の探鳥会。ダイサギとコサギの違いを説明したり、ヒドリガモやオオバンの説明をおこなう。肉眼では一見鳥がいないように見える海岸も、フィールドスコープを使えばいろんな鳥が見えることをわかってもらえ、集落の方々も感心してくださっていた。ヒドリガモに交じって小型のカモが混じっていると思ったら、珍しくトモエガモ。メスなので地味ながら、くちばしの基部の丸いスポットがはっきり確認できた。

 観察会に続いて、公園に場を移してネイチャーゲーム。「私は誰でしょう」と「カモフラージュ」で盛り上がったあとは、昼食タイム。多めに用意した豚汁とおにぎりがまたたくまになくなっていく。

 午後は雨もすっかり上がり、最初はクイズ大会。景品をかけて、奄美の生き物に関するクイズで熱戦が繰り広げられた。海岸に戻って、探鳥会の第2弾。午前中はいなかったハヤブサやヨーロッパトウネンが出て、歓声が上がった。最後は海岸清掃をして終了。展示コーナーや販売コーナー、鳥の羽でしおりを作るお土産コーナーもそれなりの人が集まってくれたようで、盛会のうちに奄美野鳥の会創立30周年記念イベントは無事に終了した。

▲小雨の中、傘を差しながら、ネイチャーゲーム「私は誰でしょう」で盛り上がる。
▲クイズ大会の頃には雨も上がっていた。
▲午後の探鳥会のようす。
▲ヨーロッパトウネンらしき小型のシギ。

*番外編*11月12日~16日 インド・アッサム州

 恒例の海外探鳥ツアー、今年はインドのアッサム州に出かけた。強行日程だったが、150種以上の野鳥に出合えて大満足。ところがなんと、せっかく撮影したカメラのSDカードが読みとれなくなり、ほとんどすべての鳥は記憶の中に留めるより仕方がなくなってしまった。まあ、それもいいかも。何種かだけ、スマホで撮影できた動物のみをご紹介。

▲カジランガ国立公園名物のインドサイ。草むらに隠れているインドサイをインドゾウに乗って観にいく。
▲ゾウの上から観た湿地の鳥。左からコハゲコウ、インドアカガシラサギ、ダイサギ、スキハシコウ。
▲ジープサファリで観たエンビコウ。
▲同じくジープサファリで観たセイタカコウ。
▲カジランガ国立公園に隣接する茶畑で観たキシタアゲハの一種。
▲絶滅の危機にあるというオオハゲコウを一番確実に観られるのはグワハティのゴミ捨て場というなんとも複雑な現実。