2021年 4月のフィールドノートから

*番外編*4月6日 福岡県糸島市志摩

 糸島に引っ越した友人宅に遊びにいった。1泊させていただき、翌朝、近所を散歩する。電柱の上に大きな鳥の巣があるので、もしやと思うと、やかりカササギである。大学時代は糸島に分布していただろうか? しかとした記憶がない。麦畑にはホオジロ。ホオジロは日本中で広く繁殖している野鳥だが、奄美では希な旅鳥なので、ついつい見入ってしまう。草地にはマヒワの群れが降り、さかんにキク科植物の種をついばんでいた。海岸に出ると壱岐や対馬が望める。これからそちらのほうへ渡っていくのだろうか。

▲カササギ。福岡県にもかなり進出してきたようだ。
▲さかんに種を食べるマヒワのオス。

4月11日 奄美市笠利町望楼台

 望楼台にて探鳥会。北へ帰るサシバを見送るのが最大の目的だが、今年は春の渡りが早く、もう大半が渡ってしまっており、あまり観られないのではないか。開始前はそう思っていたが、心配は杞憂だった。朝6時くらいから次々とサシバが舞い上がり、小群となって灯台の方角へ流れていく。そこから北を目指すのだ。ハイタカやノスリもときどき交じっている。ヒヨドリは300羽ほどの群れになっており、それを狙うハヤブサの影もある。本土産のメジロも多いし、ツバメの群れにはコシアカツバメもかなり交じっている。春の渡りのピークかもしれない。終了後、宇宿の農耕地を回るとノビタキがたくさん。オスは迷うことがないが、メスはなにか珍しい鳥ではないかと、ついついじっくり観察してしまう。

▲北へ帰る途中のサシバ。
▲急旋回するノスリ。
▲スプリンクラーに止まるノビタキのメス。

4月30日 奄美市笠利町望楼台

 望楼台にてバンディング。朝一でサンコウチョウの声がすると思っていたら、さっそくきれいなオスの成鳥が捕まった。尾羽の長さは30センチ弱。過剰に長い。続いて捕まったのはクロツグミのメス……と思ったら、下面の斑点が喉までしかないし、脇の橙褐色が明らかに広い。どうやらカラアカハラのメスの1Sのようだ。1年目まではあまり灰褐色味を帯びないのかもしれない(特にメスは)。11日に比べて鳥の姿は少ないが、それでもサシバはまだ飛んでいるし、イカルやアマツバメの姿もある。チゴハヤブサも悠然と舞っている。まだしばらく渡りは続きそうだ。

▲サンコウチョウのオス。
▲カラアカハラのメス(1S)。
▲チゴハヤブサ
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